Retroworld / Patrick Galliano + Cédric Peyravernay / Bazal

70年代フランスSF小説を現代のグラフィックでコミカライズ!

今回はバンドデシネ作品『Retroworld』。フランスの著名なSF作家Julia Verlangerの原作『Horlemonde』(1980年)を、Patrick Gallianoが脚色、Cédric Peyravernay、Bazal(Jan Bazaldua)の作画により、英訳版は2分冊、合計110ページで出版されています。

ちょっとオリジナルの出版年がはっきりしないのだけど、多分2014年Les Humanoïdes Associésから出版された後、同年Humanoidsから英訳版が出版されたのだと思う。現在オリジナルフランス語版『Horlemonde: Intégrale numérique』は2021年に1巻にまとめられた新版しかなかったりするので。
ちなみにLes Humanoïdes Associésはフランスにある本社で、Humanoidsは1999年にアメリカ向け出版のため米国に設立されたパブリッシャー。まあ元は同じですが、常に区別されていたりするので一応。

原作者Julia Verlangerはフランスの著名なSF作家で主に70年代中盤から80年にかけて多くの作品を出版しています。Gilles Thomasのペンネームでも知られており、この作品もオリジナルはその名前で出版されています。
もしかしたら日本でも翻訳されたことがあるのでは、と少し調べたのだけどその辺はよくわからなかった。何しろギルス・トーマスで検索すると、仮面ライダーギルスときかんしゃトーマスばかり出てきて全く埒が明かなかったり。
とりあえず詳しい経歴などについては後程。

70年代フランスSFのイマジネーションを現代のグラフィックで!というところがこの作品の肝だと思うのだけど、ちょっと作画についてもよくわからないところがあったり。
Cédric PeyravernayとBazalの二人の名前が出ていて、冒頭のクレジットページによるとCédric Peyravernayの方がArt/Coloristとなっており、Bazalの方はタイトルページ、バックグラウンドデザインはCédric Peyravernayと表記されており、普通に考えれば表紙だけこのBazalが描いてということのようだけど、表紙と中の作画が違ってるようには見えないし、Peyravernayがバックグラウンドとなっているので、もしかすると下のやや小さな丸の部分なのかな?そう言われてみればちょっとタッチが違うように見えもするけど、とやや悩ましいところ。
で、Jan Bazalduaという人について検索してみると、メキシコ出身の女性アーティストというところまでは分かるのだけど、この作品より後の2017年以降ぐらいのマーベルでの経歴ぐらいしか出て来なかったり。結局想像すると、年齢も57歳ということでメキシコでのキャリアは結構長くヨーロッパでも知られたアーティストではあるのだけど、現在Webではその辺を辿ることができないということなのだろう。
そんなわけで、この作品基本的にはCédric Peyravernayの作画で、おそらく重要アーティストということでBazalの名前も載せておくというような形になります。
そんな感じで最初から曖昧情報ばかりで申し訳ないんだが、とにかく『Retroworld』始めて行きます。

Retroworld

■キャラクター

  • Marce:
    The brotherhood of the starsのエージェント。

  • Cornelius将軍:
    The brotherhood of the starsにおけるMarceの作戦指揮者。

  • Jatred:
    惑星AlmagielでMontbasse収穫の奴隷として働く青年。

  • Irche:
    Jatredの友人。

  • Lil:
    Jatredの恋人。

  • Orval:
    Almagielの領地The Hornsの領主の息子。

  • Orvalの父:
    Almagielの領地The Hornsの領主。

  • Rasten:
    The Hornsの奴隷監督官。

■Story

古代~中世を思わせる地球とは異なる世界。砂漠の中に建つ王の城塞には、異様な鎧を纏い武器を担いだ戦士や、その世界で使役される異様な猛獣が歩く。
「囚人たちの用意ができました、王よ」玉座に座る王の傍らで神官が報告する。
「では祭礼を始めよ。我の可愛いドラゴンも飢えておるだろう」
貧弱な武器のみを持たされた囚人たちの前に、その世界でドラゴンと呼ばれる凶悪な巨大生物が引き出されてくる。

城塞の外では、見張りの兵士が彼方より砂塵の中を近づいて来る一団を見つける。
巨大な獣に投石機を思わせる兵器を引かせた蛮族戦士の軍団。
その中で一人だけ周囲と異なる黒い着衣とマントを纏った男が周囲の戦士に告げる。「私を可能な限り近づけてくれ。そこから君らのために入り口を開ける」

連絡を受けた兵士が王に報告する。「Tougsどもが襲撃してきました!」
「またか?呪われた砂漠の犬どもめ」苛立たしげに言う王。「楽しみが始まったばかりだというのに」
ドラゴンは逃げ場のなく囲われた囚人たちに迫る。

「今だ!」投石機の中の黒衣の男が叫ぶ。
兵器が作動し、投擲された男は城壁を越え城塞の中に飛び降りる。
直ちに周囲の兵士たちを持っていた剣で打ち払い、門を中から開きTougsの軍団を引き入れる黒衣の男。

『Retroworld』より 画:Cédric Peyravernay

ドラゴンに蹂躙される囚人たちの中で、一人の女性が傍らの少年を護ろうとしていた。
その場に辿り着いた黒衣の男は、その場に遭った大型弩砲にとりつき、打ち出した巨大な矢でドラゴンの頭を撃ち抜く。
「Irinaと少年は無事だ。急がねば」直ちに次の矢を装填する黒衣の男。
続いて発射された矢は、前で護る屈強な戦士ごと王を貫く。

王を失った城塞はTougsの戦士たちにより制圧される。戦いが終わったしばらくの後。
黒衣の男 -Marceは、救い出した少年をTougsの長であるHassaへと渡す。「あなたの息子と私の仲間は無事だ、Hassa。Tougsは偉大なる戦士たちだ」
「ここに残ってくれ、Marce。我々は更なる砂漠の要塞を打ち負かすため、”超越存在”を必要としている」HassaはMarceに懇願する。
「我々は”超越存在”などではなく、あなたたちと同じような人間だ。私は行かねばならない。さらばだ、友よ」
そしてMerceとIrinaは、この世界で乗用にされている獣に跨り、その場を去って行く。
「彼はどこへ行くの?」少年が父Hassaに尋ねる。
「”地鳴りの山”であろう。彼が何と言おうと、彼らが神であることを私は信じる」

草木もまばらな岩山を登って行くMarceとIrina。
「君も規則は分かっているだろう、Irina。我々は観察者以上であってはならない。君をあそこから連れ出すにはかなり苦労させられたぞ」Marceは言う。
「ありがとう。あんな悲惨なハチの巣に捕らえられることになってしまってごめんなさい」とIrina。
「Corneliusから連絡があった。急いで帰還しなければならない」
そして二人は岩山の中の洞窟に入って行く。

洞窟の中にあったのは、この世界の文明水準とは遥かにかけ離れた宇宙船。だが、その上にはこの世界の凶悪なモンスターが我が物顔で座っていた。
「どうやら剣以上のものが必要なようだな。動くなよ」MarceはIrinaにそう告げる。
手にした小型装置で遠隔操作し、宇宙船の入り口を開けるMarce。そして襲い掛かるモンスターをかいくぐり、入り口から内部に飛び込む。
直ちにMarceを追って宇宙船内部に入り込んできたモンスターは、強力な熱線に向かい撃たれ退治される。

その惑星の文明に合わせた蛮族の装いから、宇宙船乗組員のスーツに着替え、操縦席に着く二人。
高速で岩山の洞窟から発射される宇宙船。
そのまま大気圏を抜けると、ワープ航法に移行し、超光速で目的地を目指す。

この後セリフの中で説明されてくるのだけど、長くなりすぎるのでまとめると、ここに登場してきたMarceとIrinaは、The brotherhood of the starsという組織のエージェント。
遥か昔に地球から様々な星へ植民が行われたが、多くの星ではその後連絡も途絶え、長い年月を経て植民した住民たちからは地球からの植民者であることも忘れられて、星によっては一旦原始時代レベルまで退行した後、その星独自の文明が築きあげられている。
それらの星々を密かに訪れ、その社会状況を観察し、それらの報告から交流可能な文明状態であれば関係を結び、介入が必要と判断された場合には何らかの行動を起こすというのがこの組織の目的である。

MarceとIrinaが搭乗した宇宙船は広大な宇宙を横切り、銀河の果てにある巨大な宇宙ステーション基地Terra 5へと到着する。
要請を受けて基地に帰還したMarceは、Cornelius将軍の許へと向かい、そこで新たな任務を受けることとなる。


『Retroworld』より 画:Cédric Peyravernay

「委員会は君を惑星Almagielの、承認プロトコル、フェイズ6への交渉のための単独代理者として選任した」Cornelius将軍はMarceにそう告げる。
白鳥座にある惑星Almagielは、進化水準カテゴライズAに指定される惑星で、彼らThe brotherhood of the starsについても認識理解できる段階にある。
だがAlmagielには重要な問題があった。その惑星で唯一食用となる水生穀物Montbasse。その収穫による利益は惑星の20%の権力者に独占され、残る80%は奴隷状態にある。
彼の任務はそれらの権力者たちを説得し、奴隷制を廃止しこれからの発展のための助力を承諾させることだ。
「The brotherhood of the starsは君を頼りとしている。だが、ここには最重要機密も動いておる。何かしら巨大な、人類を容易に退化へと引っ繰り返しかねないものだ」Cornelius将軍は言う。

ここで舞台は惑星Almagielへ。Montbasse収穫の奴隷として働く青年Jatredを中心とした物語が描かれて行く。
ジャングルの中のような湿地帯で監督者Rastenに率いられた十数人の奴隷が水生穀物Montabasseの収穫に当たっている。
嵐が近付いており、Rastenの指示によりグループは収穫を終わらせ、彼らの住居でもある収穫拠点に向かい戻り始める。
嵐により沼の危険な猛獣Gouzesが活発化することを恐れ、歩みの遅い気弱な青年Ircheを励まし早く戻ろうとするJatred。
何か奇妙な音が聞こえると立ち止まるIrche。気のせいだと急かすJatredだったが、次の瞬間Ircheにジャングルの中から現れたGouzesの触手が絡みつく。
急いで剣を振るいGouzesを切り裂き倒すJatred。しかし既にIrcheはGouzesの毒に冒され始めていた。
助かる見込みのないIrcheを置いて行けと言われるが、Jatredは収穫した荷の代わりにIrcheを背負い、グループから遅れながら進む。

嵐の中、何度もGouzesに襲われながら、大幅に遅れてIrcheを背負い収穫拠点に帰還したJatred。
だが、監督者Rastenは収穫したMontabasseを放置し、代わりにもはや息のないIrcheを担いできたJatredを叱責する。
そこに彼らの主人が息子Orvalを連れて現れる。
規則を破ったJatredを打ち据えようとするOrval。だが父は彼を押しとどめる。
不満の意を表すOrvalの前で、父はJatredの仲間を思う行為を称え、彼を輸送チームのリーダーへと任命する。

鉄道路線による収穫物輸送隊のリーダーとなったJatred。
だが、その最初の輸送が途上で多数の武装兵により編成された反逆者の部隊に襲撃される。
リーダーJatredの奮戦により反逆者たちは退けられ、多くの負傷者を出したものの、輸送は無事に遂行される。
だが監督者Rastenは、反逆者を一人も捕獲できなかったことから、Jatredが襲撃を手引きしたかのように責め立て、怒ったJatredはRastenを殴りつける。
その場にいて制止に入ったOrvalにも手を上げてしまい、Jatredはその場で拘束される。

『Retroworld』より 画:Cédric Peyravernay

その時、貯蔵用のサイロが出火。一旦拘束されたJatredも消火作業に駆り出される。
消火の指揮にあたっていたOrvalだったが、焦るあまり危険地帯に出過ぎ、燃えて倒壊するサイロの下敷きになりそうになる。
とっさの機転で彼の命を救ったのはJatredだった。
こうして形だけではあるが、OrvalはJatredと和解し、Jatredは捕縛を解かれる。

一方外の世界からの調停者を迎えた、奴隷制解放を討議する議会の開催が迫っており、体調に問題を抱え遠出が困難な父は、彼らの領地The Hornsの代表として息子Orvalの出席を命ずる。
父は奴隷制廃止について賛成の立場をとっており、議会にもそのように表明されているが、Orval自身は彼らの利益を損ねるその決定には不満を持っている。
翌日、Orvalは鉄道で議会の行われる首都へと向かう。

The brotherhood of the starsのMarceは、宇宙船によりAlmagielに到着する。
以前の星と同様に、人里離れた山岳地帯に洞窟を見つけ、その中に宇宙船を隠す。
そしてジェット推進の飛行バイクに跨り、議会が開かれる星の首都へと向かう。

議会の場で、MarceはThe brotherhood of the starsからの提案について演説する。
収穫用機材と火災の危険の少ない冷蔵サイロの提供を申し出て、それによりこの星の奴隷制度を廃止し、選挙による政府の樹立を目指すべきであると訴える。
既得権益を有する議場の領主たちから反対の声が上がる。父の意に反しその先鋒に立ったのはOrvalだった。
制度改革・奴隷解放の立場をとっていたOrvalが代理出席したThe Hornsからの意見が覆ったことで議会は混乱し、翌日の再開を宣言し、一旦閉会となる。

議会上から出て行くOrvalを、Marceが呼び止める。
君の家族が意見を変えたことについてお父上と話し合いたいと申し出て、Orvalもそれを承諾し、Marceを彼らの領地へと連れて行く。
帰路に就く砂上走行車の車内で、OrvalはMarceにAlmagiel産の酒を供する。
だがその中には睡眠薬が入れられており、Marceは意識を失う。

領地へ戻ったOrvalを迎えた彼の父は、息子が彼の意に反する行動をとったことを察知し、問い詰める。
「ええ、あなたは今我等の側につき、保守派は投票に勝利することになる」「何だと?」
「申し訳ない、父さん。だが私は星人達に我々の世界を台無しにされるわけにはいかない」
そしてOrvalは持っていた銃で父を射殺する。

『Retroworld』より 画:Cédric Peyravernay

その時サイロの上に恋人Lilと共にいたJatredは、その一部始終を目撃してしまう。Orvalも即座に彼の姿に気付く。

Orvalの企み通り、意識を失っていたMarceに彼の父殺害の罪は被せられ、捕縛されそのまま刑務所へと送られる。
刑務所へと向かう護送列車の中、Marceの隣には領主となったOrvalにより罪人とされたJatredの姿があった。
無実の罪を着せられ、劣悪な環境の刑務所へと送られた二人は、そこで出会い刑務所からの脱出、Almagielの未来のために共闘する。

ここまでで二分冊各55ページの、Vol.1の8割ぐらいのところ。ここから物語は異星の冒険SFとして展開して行く。あらすじにはほとんど入れられなかったJatredの恋人Lilも、レジスタンス組織と接触するなどの活躍をして行く。ここまでだと、裸は出てくるが、名前すらもちゃんと出て来なかったりぐらいなのだが…。

70年代のSFということで、ストーリー的には今の目で見ればツッコミどころも多いかもしれないが、その一方で現在のSFでは時代の流れと共に変わってしまったような、冒険SFという楽しさも多い作品ではないかと思う。
これを読んでまず頭に浮かんだのは、同じバンドデシネ作品ということもあって、近年映画化もされた『Valerian』。あ、例によって例の如く映画は未見なのだが…。こちらの原作よりやや早い60年代末ごろに始まったシリーズだが、同様に冒険SFという楽しさ溢れるシリーズである。
映画化に合わせて2エピソードが翻訳されたので、見たことがある人も多いと思うがこんな感じ。


『Valerian and Laureline Vol.1 The City of Shifting Waters』より 画:Jean-Claude Mézières

これはこれで素晴らしい画であり、ちゃんと読めばこの画で描かれた世界にのめり込めて行くものだけど、現在の特にSF方向では進化の目覚ましいグラフィックを見慣れている目には、少々古臭く見えてしまうのはやむを得ないところだろう。
そして同じような世界観の物語を、現代的な優れた作画でビジュアル化したのがこの作品ということだと思う。

こういった過去の作品を現代の作画で、という試みは日本でも多くなされているが、その過程で現代の色々な要素を取り込み過ぎて失敗しているという例も大変ぐらいに多いのではないかと思う。
そういう視点でこの作品についても考えてみるべきかと思い、原作小説が手に入らないものかと思ったのだけど、とりあえず英訳版もオリジナルフランス語版も見つからずぐらいのもんだったり。フランス語版についてはプリント版はあるようなのだが、現時点のフランス語スキルでは半年以上かかりかねんし…。
そんなわけで、オリジナルとの比較まではできていないのだが、とりあえず自分の見た限りではここまで書いて来たような趣旨が、あまり余計なものは入らない状態で実現されているようには見えた。

SF作家Julia Verlanger作品の復刻コミカライズはLes Humanoïdesでプロジェクトとして行われており、現在までにこの『Retroworld』を含め4作が出版されている。最新作が2020年なので進行中という感じなのかもしれない。
いずれも英訳されており、英訳版Humanoids作品は基本Kindle unlimitedで手軽に読めるので、これで興味を持った人は読んでみてください。こちらでも他の作品も紹介できるよう努力するつもり。

Julia Verlanger復刻コミカライズ作品

  • Retroworld(Horlemonde) :2014 Patrick Galliano/Cédric Peyravernay/Bazal
  • Savage Highway(L’Autoroute sauvage) :2017 Mathieu Masmondet/Zhang Xiaoyu
  • Orion’s Outcasts(Les Décastés d’Orion) :2017 Corbeyran/Jorge Miguel
  • Wings of Light(L’Ange aux ailes de lumière) :2020 Harry Bozino/Carlos Magno

作者について

■Julia Verlanger

本名Éliane Taïeb。1929年生まれ、1985年没。Gilles Thomas、Julia Verlangerのペンネームで、1970年代後半から80年代にかけて、死後発表された作品も含め20冊の作品を著したフランスの女性SF作家。一般的にはGilles Thomasの方が知られているようで、主にそちらの名義で出た作品のようだが、Humanoidsコミカライズ作品ではJulia Verlanger名義で統一されている。
1956年に短編小説作家としてのキャリアを始め、1963年までに20作の作品を書いたが、一旦そこで引退。1976年に長編SF作家として再登場し、その後はそちらで作品を出版することとなる。
彼女の作品は、この『Retroworld』のような超未来の地球から移民が行われ、元の文明が無くなっているような世界を舞台としたものが多いらしい。

■Patrick Galliano

1953年生まれ。SF、ファンタジーを中心に1980年代後半ぐらいから多くのバンドデシネ及びTVドラマのシナリオを手掛けている作家。
電子書籍ではLes Humanoïdesからのフランス語版のみで、『Roxalane』、『Touna Mara』の2シリーズが読めるよう。

■Cédric Peyravernay

生年等の情報見つからず。ゲーム、TVドラマなどのキャラクターデザイナー、という感じで現在の経歴は出てくる。TVシリーズLove, Death & Robots (2019)、Les Sentinelles (2023)、 ゲームThe Outer Worlds (2019)というところが代表的な仕事の模様。
コミック関連に関しては、他には2019年にでたHeavy Metalの『Soft Wood』というアンソロジーのカバーが出てくるぐらいで、これ以外には画像検索的に探しても見つからない。この作品を描いた時にはコミックアーティストも目指していたが、現在はそちらの方に転身したということなのかもしれない。文句のつけようもないぐらいの素晴らしい作画だが、やっぱ労働に対する対価としてはそっちの方が良さそうだしね…。

■Bazal

この人については最初に書いたあたりから先、結局よくわからず…。メキシコ出身のコミックアーティストで、本名Jan Bazaldua。2017年頃からマーベル作品の作画を手掛け、現在見つかるのはそちらの情報のみ。1967年生まれで57歳と出てくるので、2017年からキャリアを始めるには歳をくい過ぎているところからメキシコでかなりのキャリアを積んだことが想像され、この人で間違いはないんだろうとは思われるのだが。
あー、いやマーベルでやってるのがどうこうというわけではなくて、なんかカバーにちょっとした画を描くぐらいで名前がクレジットされるような、バンドデシネ的に知られるメキシコのキャリアがあるならどんな作品描いてたのか知りたいだけなのだけどね。この歳ぐらいになってマーベルで成功したなら良かったので頑張ってください。

Humanoidsについて

主にメビウス作品で日本でもよく知られるHumanoidsについては、バンドデシネの中でも日本からも電子書籍の形で手に入りやすい作品も多い。英訳作品、Kindle unlimited作品も多く、主にしばらく前ユマノイドとして日本でやってた頃の日本語翻訳版もその形で読めるものもある。本当ならもっと頑張って紹介して行かなきゃならんとこなのだけど、これが初になってしまって申し訳ない…。
そしてフランス本体のLes Humanoïdesの方だが、フランス語版のみだけど目玉的に日本からも大変多くの人が見ているだろうと思われるのが、メビウス作品集(Moebius Oeuvres)。そして過去のMétal Hurlant誌からのアンソロジーMétal Hurlantもおススメ。Métal Hurlantに関しては、2002年にアメリカとの合同プロジェクト的に短期間出た第2期の英訳編集版もあるのでそちらも早く紹介できればと思っている。
メビウス作品集については自分のフランス語勉強教材だったりもするので、いくらか紹介もできるかもしれんけど、なんか宿題提出するみたいでちょっと恥ずい…。まずはそちらを制覇し、Métal Hurlantにも進み、多くのバンドデシネ作品を読んで行きたいというのが私の野望だが、この猛暑夏バテでやや停滞してたり…。何とか頑張らねば…。

なんか悪い例みたいに出してそのままは申し訳ないので、『Valerian』についても少々。しばらく日本からは手に入りにくかったのではないかと思われる英Cinebookによる英訳版『Valerian』なのだが、現在は全23エピソードが、全7巻の完全版で電子書籍版で入手可能。自分が画像使ったの昔Comixologyで買った旧版で、色々違うみたいだし全部は持ってないのでそっちで買い直すことになるか…?
英Cinebookの英訳バンドデシネの代表的なものには、この『Valerian』の他、『XIII』があるのだが、そっちについては何故か17~25巻しか販売されていない。10巻までしか持ってないので何とかしてほしいんだが…。『XIII』については映画やゲームになった1~5巻のストーリーをそっちと比較するというのをやろうとずっと思ってるのだが未だ果たせず…。
えーと、バンドデシネの方でもまだまだ色々考えてるよ、ご期待ください、でまとめちゃえ。

Julia Verlanger復刻コミカライズ作品

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