名高き連邦保安官に迫る狂気の真相は?スナイダーのホラーウェスタン!
今回はScott Snyder/Dan Panosianによる『Canary』。2020年に立ち上げられたスナイダーのBest Jackett Pressからの、2023年の出版で、Comixology Originalsで販売されています。ちょっとややこしいけど、この言い方でいいんだと思うけど。あ、そうだ、プリント版はDark Horse Comicsも書いといた方がいいのかな?
2021年、スナイダーはComixology Originalsから8タイトルを出版すると発表。これは現在のアメリカのコミックの中でも重要な動きだよなと考え、ちゃんと紹介して行かねばと思い、まず『Clear』を紹介したのだけど、あっちもこっちもでやることも多過ぎそのままストップ…。これではいかんと思い直し、とにかく読むだけでもと3作品読んで、とりあえずそれで一回やっておかねばというのが今回。
出版順では『Night of the Ghoul』、『Barnstormers: A Ballad of Love and Murder』、そしてこの『Canary』の3作。なのだが、まあ現在の状況でその3作をそれぞれ1回ずつでちゃんとやってくのはきついということで、その中の1作『Canary』をメインという形で、3作まとめて紹介して行きます。
『Canary』をメインにしたのは、作画も含めた私自身の好みぐらいのもんで、他の2作より優れているとかいう考えではないので。というか映画化予定とか、受賞とかで他の2作の方が評価高いのかもしれないし。
今回はスコット・スナイダーという作家についても、少し深く考えて行ければと思っています。
作画Dan Panosianについては、こちらもかなり興味深いアーティストなんだが、今回はスナイダーという方向で深く探って行くため、先に少し詳しくやっておこう。
最初にこの画を見た時、線の使い方から見て、多分ヨーロッパかその他の国のアーティストなのだろうと思ったんだが、アルメニア系ではあるが生まれも育ちもアメリカ。デジタル化時代の新しいアーティストかと思ったら、1969年生まれで、結構なベテランでもある。
なぜこれを疑問に思うような考えになったかということを先に説明すると、まあそこは説明するまでもないと思うが、アメリカでは特にマーベルDCのようなメジャーなところでは、かつてはペンシラー-インカーという制作システムがとられていた。まず専門のペンシラーにより下書きが仕上げられ、それからインカーによりペン入れで画が仕上げられ、さらに専門のカラーリストにより彩色される。だが2000年代頃からのまず先行したカラーの方のデジタル化の急激な進化は、このシステムに画的な部分で一つの問題を起こす。よりリアルを目指し強い色を重ねられるようになったカラーリングは、それ自体が強くなりすぎて、特に線を殺すという方向でペンシラーの考えとは違う画を作り出してしまうことになる。ましてアメコミなんてところはコスチュームで原色に近い指定になってる場合も多い。ここで、ペンシラー-インカーというような二段階が無く単独のアーティストによるものだったら別の対処法も考えられたと思うのだが、そのシステムゆえ、完成した画から遠いペンシラーが、これに対する対応として下書き段階で線を太く指定するという事態が起こる。かくしてその時期を経たメジャーなアメコミで活躍してきたアメリカ純正のアーティストの画は、極端に主に輪郭などの線が太くなっているという傾向がある。少し前ぐらいのそっちの作品を読んでると、画自体は上手いんだが何だこれ塗り絵かよと思うようなことも多かったりする。
で、Panosianに戻るんだが、そこで経歴をよく見てみるとその辺の謎が解けた。
あんまり詳しくはわからないんだが、この人80年代ぐらいにマーベルでデビューしていて、90年代トッド・マクファーレンらがImage Comicsを立ち上げ、新たなヒーロー物を始めた時、一緒にそちらに移る。だが、その後のどこかの時点で一旦コミック業界を去り、コマーシャル・アートや、映画、ゲームといった方向のデザイン分野で広く仕事をすることになる。そしてコミックの方に戻るのは2010年代頃ということになる。つまりそういう時期、アメコミの中にいなかった人なんだね。それほどのベテランなら何か自分でも持ってるはずだけど、と思ってアマゾンで照らし合わせてもあんまり目ぼしいものが無かった理由もここでやっとわかった。
アメリカのペンシラー-インカーというシステムは、過去に考案された時には合理的な制作システムに見えたのだろうが、時代を経るにつれやたらに手間と時間のかかるあまり現実的でないものへと変わって行ったのだろう。ペンシラーは自分の画が完全に再現されるように緻密に原画を仕上げるため時間をかけるようになり、という過程は過去から現在の画の進化を見れば容易にわかる事だろう。背景まで描き込まれ完全に仕上げられたペンシラーの原画というものは、それ自体では大変に美しく目を惹かれるものではあるんだが、コミック/マンガの制作工程としては明らかに不合理であるのは見てすぐに想像がつく。例えば日本のマンガの制作工程においても、スタジオの中でメインの作家が下描き段階でペン入れを担当するアシスタントに任せるというものはあっただろうが、それは同一スタジオ内での作業工程の中のことであり、完全に下書きを仕上げて、それをペン入れ専門のアーティストに渡し別の場で作業するなどというやり方は、どう考えても手間と時間がかかり過ぎて現実的ではないと誰でも想像がつくだろう。
もはや現代においては、それは合理的な分業システムではなく、そこにこだわりを持つアーティストによる金も時間もかかる贅沢な制作方法へと変っていたのではないか。
だがそこで、もう破綻寸前となっていたそのシステムが崩壊する前に、デジタルによる作画が取って代わることとなる。現在ではPencilar/Inkerというクレジットを見ることは少なくなり、シンプルにArtとなっているものの方が多くなっている。
あーもうまだ前置きぐらいのところで長くなりすぎてるの分かってるが、このくらいの説明ないとわからないだろう?
そうやってペンシラー-インカーシステムが崩壊して行く時代を、ある意味タイムスリップ的に飛び越え、現在に通用する技術も携えた上で過去の時代からやってきたのがこのDan Panosianなんだろうという話。
2008年よりアメリカではインカーの業績を称えるInkwell Awardsが設立されており、Panosianはロゴをデザインするなどそちらにも深く関わっている様子。
この作品ではPanosianは、Art&Colorsとクレジットされており、現在のデジタル作画ではアナログで描かれたものとの差異を見分けるのも難しくなりつつあるが、そういったところにこだわりがあると思われるPanosianならアナログでインクまでの工程を進めた後、取り込んでカラー、デジタル処理などを行ったのかと思う。
ペンシラー-インカーを効率的な分業システムのように考えるのは反対だが、少し手間も時間もかかるという認識の上でのアーティストのこだわりのひとつの作画スタイルとして、これからも続いて行くことにはまったく問題ないと思う。何か予想もつかなかった新しい方法論での、ペンシラー-インカースタイルの作画というのも、今後は登場してくることになるのかもしれない。そこにはこのDan Panosianも関わって行くことになるのかもね。
ずいぶん長くなってしまったのだが、アメリカのコミックの作画を考える上でこのDan Panosianという人は一つ重要な意味を持ってるのではないかと思うゆえ、後で埋もれてしまわないよう先にやっといた。ここからはスナイダーに焦点を当てた感じで進めて行きます。
Canary
主人公は開拓時代のアメリカで、様々な活躍で名を馳せ、彼の活躍を描いた小説シリーズみたいなものも出版されている連邦保安官William Holt。引退を間近に控え、各地で勃発する、何かに取り憑かれたような異常な犯罪を追ううちに、彼にとって過去の忌まわしい因縁がある炭鉱町Canaryへ向かうこととなる。
実は、後でも説明するが、やや強引に話を詰め込んだ感もある少し分かりにくい話だったりもするので、とりあえず第2話までをなるべく整理してという感じでやって行きます。
■キャラクター
-
William Holt:
連邦保安官。 -
Edison Edwards:
地質学者。 -
Mabel Warren:
Canary鉱山の相続者。 -
Hyrum Tell:
重罪犯。 -
Kenrick Gemmer:
Canaryの町長。
■Story
#1
ユタ州 1891年
田舎町の集会所の建物の中。数羽の鳥が描かれた黒板の前で一人の女性が血まみれで座り込み、死亡している。
捜査のためこの町を訪れた名を知られた連邦保安官Holtは、陰惨な殺人現場を検証しつつ、当地の保安官の話を聞く。
その女性は、議論となっている組合問題に関するプレゼンテーションを、ウズラ、亀、ガラガラヘビなどの卵を使って行っていた。
事件は突然に起こる。町民たちが見守る中、町の一人の少年がただ女性に向かって歩いて行き、剃刀で喉を裂いた。
少年の名はJohnny Apple。この地ではならず者として知られるApple一家の息子だが、その中で毎週日曜には教会に通う善良な少年だった。

『Canary』より 画:Dan Panosian
理由もわからない殺人。Apple一家に向かうために、保安官は大勢の男たちを集めていた。
だが、Holtはそれらを断り、単独で馬に乗り、Apple一家の土地へと向かって行く。
* * *
Apple一家の地所へ、ただ一人で馬でやって来た連邦保安官Holt。
「Apple一家よ!私は君たちの家の中に居る少年と話さねばならない。Johnnyという名の」
ライフルを手に家の前に立つ父親。住居と納屋の屋根には、同じくライフルを手にした男が一人ずつ立っている。
「帰りやがれ。こいつは家族の問題だ。俺たち自身で全て取り仕切る。坊主がやったことについては見当もつかねえ。何もだ!」父親は強硬に告げる。
「そうだろうな、だが、彼は私と一緒に来なければならんのだ、Appleさん。合衆国連邦保安官として言ってる」馬から降りたHoltは言う。
「幸いなことにな、俺たちゃまだ合衆国じゃねえんだ、そうだろう?」父親が応える。
そこで家の玄関からJohnny少年が顔を出す。「あんたHolt連邦保安官だね、そうだろ?」
「中に戻ってろ、Johnny!」屋根の男が叫ぶ。
「マスクを見せてくれる?」笑顔で言うJohnny。
「ああ、いいとも」Holtは言う。
「それ以上近寄るんじゃねえ、連邦保安官!さもなきゃ俺らは…」「その穴を閉じてろ。私は息子と話してるんだ」
「取引と行かないか、Johnny。マスクを見せてやるから、私と君とで少し話すんだ。いいだろう?話すだけだ」Holtは言う。
「いいよ」Johnnyは答える。
そして、Holtはダイムノヴェルなどで有名になった、トレードマークとなっている顔の下半分を覆うマスクを着ける。
戦闘態勢をも示すその姿に、Appleの男たちに緊張が走る。
「ワオ、絵で見たのとおんなじだ」Johnny少年は言う。「ありがとう、Holt連邦保安官。お礼に僕もあんたに見せたいものがあるんだ」
「そこから動くんじゃねえ、Johnny」父親は言う。「連邦保安官、この間、この坊主の忌々しい頭ん中で何が起こってたのかは知らねえ。だが、そのことは俺たち自身で突き止めて見せる。身内でな」
「実際のところはな、俺たちゃJohnnyを荒れ地へ連れてく。俺たち誰もがこの先なんも気にしねえところにな。この土地のもんも、連邦もな」
父親は続ける。「それで、まず次に起こることは、俺たち全員がそこに繋いである馬に乗って、そして…」
銃声。そして繋いであった三頭の馬が倒れる。
「その馬か?」Holtの銃から硝煙が上がる。
「畜生!このクソ野郎をぶち殺せ!今だ!」
銃弾の応酬。そしてHoltは、Apple一家の父親、屋根の二人を次々と撃ち倒して行く。
その状況にも平然とした顔で、Holtのところに向かおうとするJohnnyを、母親がしがみついて止める。
「行かせてよ!僕は連邦保安官に見せなきゃならないものがあるんだ」「駄目よ!私から離れないで、Johnny!」
「奥さん、あんたの縁者はまだ生きてる (多分だが)。だが、Johnnyは今、私と一緒に来なくてはならん。そして私たちはこの全てが起こった理由を知ることができるんだ」Holtは銃を向けたまま言う。

『Canary』より 画:Dan Panosian
「”理由”ですって?理由なんてありゃしない!この子はこの子であることを止めただけよ、それが全てだわ。数か月前、この子は変わり始めた。悪くなった」倒れた夫のライフルを手にしながら、母親は言う。
「あんたの言い分は分かった。だがそのライフルから離れろ、奥さん」Holtは言う。
「この子に何が起こっても、それでもこの子は私の息子よ。あんたにこの子を…」ライフルを構えて言う母親。
その母親の頭が撃ち抜かれる。
彼女を撃った銃を手に、変わらず笑顔を浮かべるJohnny。
「じゃあ、あんたにちょっとしたものを見せていいかな、Holt連邦保安官?」
Johnnyは銃を降ろし、ポケットに手を伸ばす。
そこから取り出したのは、彼が殺人現場から持ってきた卵の一つだった。
「これさ。これは怪物の卵なんだよ、Holt連邦保安官」Johnnyは言う。
「他の卵は、みんな中身は死んでいた。でもこれ、ヤバい怪物、これは九か月で産まれるんだ」
「Ms. Stokesは、これを地面から掘り出すべきじゃなかった。これはまだ中で生きてる。まだ成長してる。あんたにもわかるはずだ!あんたがこれを地中深くに埋めたなら、これはまだ生まれることができる」
「あんたがこれを僕のために埋めてくれるっていうんなら、僕を連れてっていいよ」
「何だって?」卵を受け取り、Holtは言う。
「僕はあんたと行くよ。ちゃんと約束してくれればね。あんたがこの卵を、後で地中深くに埋めてくれるって」
「これが強く育つことができる所に」

『Canary』より 画:Dan Panosian
* * *
町に戻ったHoltは、この地域にまだ一台しかないという電話を使い、連邦保安官事務所の上司であるCrennyに連絡する。
Crennyはここ半年で、同様の説明のつかない異常な殺人事件が月に一度のペースで起こっていることを話し、Holtに次に向かう場所を指示する。
「デンバーの外れに岩石博士がいる。Ed Edwardsって名前の地質学者だ」
「最近の殺人事件にについて、ひとつの説を立てている。言うところによると、それぞれ別の殺人事件現場に繋がる地下水脈があるということだ」
「すべては遥か北の山に源流がある」
「古いCanary鉱山のところだ」
「おい、やめてくれ」直ちに言うHolt。彼にはその場所に、ある忘れることのできない記憶があった。
「あの土地について知っているのはお前だけだ。お前はその辺一帯でTellを追っただろう」Crennyは言う。
上は厄介な連続する事件を肩から降ろしたいために、その説を買ってるとCrennyは言う。Holtはなんだろうと水は無関係だと抗う。
「俺も水なんかじゃないことは分かってる」Crennyは言う。
「だが、俺はお前の上司であると同時にお前の友人なんだ。それで言うが、俺の思うところ、あそこでお前とHyrum Tellの間で起こったことが何だっただろうと、馬鹿げたダイムノヴェルに書かれていないことが何だっただろうと…」
「あの場所に行きそれと対面することがお前のためだ」
* * *
1883年
山中、Holtは馬を降り、重罪犯Hyrum Tellの足取りを辿って行く。
川の源流の岩場で、腰まで水に浸かり魚を獲っているHyrumを見つけるHolt。
「Hyrum Holt。お前を合衆国連邦保安官事務所の命により逮捕する」
「あんたWilliamだな!」上半身裸で水に浸かっている禿頭の男Hyrum Tellは、逃げるそぶりも見せず返答する。
「あんたについても、あんたの俺に対するの追跡についても、色々読ませてもらったよ。遂にあんたと会うことが出来て嬉しいぜ。ようこそ。どうかくつろいでくれ」水の中に立ち、笑顔でHoltに向かい合うHyrum。
「そりゃ親切にどうも、Hyrum。だが、俺はゆっくりしていられんし、お前もだ」Holtは言う。
「なぜ俺が行かなきゃならんのだ?」
「つまりな、Hyrum、お前が何台もの列車を吹っ飛ばし、何の理由もなくすべての人々を殺して、連合で最大のお尋ね者になったなら…」マスクを降ろしながら話すHolt。
「政府は大抵は話が聞きたくなるもんなのさ」
「話してくれよ、William。俺が読んだ、あんたが最近、奥さんのCeliaと幼い息子のWilliam Jr.と一緒に、ここユタに腰を落ち着けたってことについて」Hyrumは言う。
「お互いにいいようにしようじゃないか。水からゆっくり出てきてくれ、Hyrum」
「それで、あんたは自分の土地に移ってきたときに、騙されたと気付いただろう。土地が恐ろしい蛇どもに汚染されてることによって」Hyrumは言う。「詐欺師とガラガラヘビだ」
「わかったよ、Hyrum。もう充分だ」
「数百ものそいつらは、あんたの家の下に棲んでるのさ」
「だがあんたはそこから去らない。そうだ、あんたはそこを掘り起こすんだ。自らの手で。そして奴らの巣穴を破壊する」
Hyrumは水中を泳いできた魚を、両手で捕まえる。
「奴らを殺し、奴らの巣を潰し、土地をあんたの家族にとって安全なものにした。そいつは本当の話かい、William?」
「もう沢山だといってるんだぜ」Holtは銃を向ける。
「蛇ってものについてはだな、William、奴らは戻って来るって習性がある。復讐心を持ってな」
「お前が今すぐ水から出てこないなら、誓って言うが…」
「だが、俺はここから離れられないんだよ」
「ほう、そりゃなんでだ?」
「俺は子供たちを待ってるからな、William」
「お前の子供か」
「ああ、俺は父親になるんんだ。俺は子供たちが俺みたいになればと願ってるんだ」
「大量殺人鬼か」
「ハッ!違うぜ、William!俺は子供たちが特別なものに変わることを願ってるんだ。身体そのものが。俺のように。俺は喉にひと揃いの特別な歯を持ってる。下へ向かってな。俺が飲み込んだときにそいつらが齧る音が聞こえるぜ。ガリガリってな」
「なんてこった、お前完全にいかれちまってるな、そうだろう?」
「信じないのか?じゃあ…、見せてやろう」

『Canary』より 画:Dan Panosian
Hyrumは大きく口を開けて、捕まえた彼の腕よりも太い魚を口に入れ、飲み込む。
あっけにとられるHolt。
ガリガリと嚙み砕く音。
* * *
回想から戻る現在のHolt。
「Holt?まだそこにいるのか?」沈黙するHoltに、電話の向こうからCrennyが問いかける。
「ああ、いるさ。それで俺は行かない、Crenny」Holtは応える。
「いや、お前は行くんだ。列車は明日の朝7時に出発する。それに乗ることだな」Crennyは言う。
「お前は岩石博士に会い、Canaryに戻り、彼による検査を手伝う。見たところ、現在の狂った事件にもこれから起こるだろうもっと狂ったものにも、折り合いをつける方法は見つからん」
「だが、お前は少なくともこの狂気から抜け出す前に、過去に折り合いを付けられるかもしれん。最後の仕事を楽しむことだな」
「わかりましたよ」Holtは電話に向かって言う。
去って行くHolt。その後ろの荒野に捨てられた、割れた「怪物の卵」。
その割れた卵の殻に、鷹が舞い降りる。
#2
1883年、Canaryの岩場のHoltとHyrum Tell。
「水から出ろ、Tell!これが最後の警告だ!」銃を向けて言うHolt。
「これが聞こえるだろ、William?俺の喉の歯が、それ自身で噛んでいる音が。俺は進化したんだ、見ろよ。俺は新しい何かになったんだ!今や俺の身体中に口が育ち始めている。俺の背中に、腹の中に…、1ダースもの口が!」魚を齧りながら話し続けるHyrum。
「いい加減にやめたらどうだ、クズ野郎」銃を突き付けて言うHolt。「さあ、三つ数えるぞ」
「俺の子供たちはもっと多くの口を持つことになるのさ!奴らは口でできているものになるだろう、千もの歯が世界を喰らうんだ!子供たちはこの水の中に居るぜ、William。強く育っている…」
「1…、2…」
「数える必要はない。やれよ。俺を撃てよ。そうすりゃあんたの弾丸が俺には効かないことがわかるだろう。俺はただ進み続けるだけだ」
「見てろよ、俺は古い皮を脱ぎ捨てるんだ。あんたの家の下にいた蛇どもと同じさ」
「あんたが殺したと思った奴?今まさにあんたの家族に襲いかかろうとしてる奴だ。あんたの奥さん、可愛い息子に?」
Hyrumを撃つHolt。
* * *
現在、1891年。Holtの乗った列車はCanaryへ到着する。
列車を降りるなら、移動手段を確保すること。Canaryの町はこの駅から20マイル離れていて、ここには電信の事務所も鉄道事務所もないこと。次にここに列車が来るのは5日後になることが告げられる。
Holtが駅にいる男に、岩石博士について尋ねていると、後ろから声が掛かる。
「すみません!Holt連邦保安官ですか?こっちです。私が岩石博士です」
そこには、まだ青年といった様子の年若い黒人が、列車から降ろされた多くの荷物の横に立っていた。
大荷物に驚き、それを全部自分で運んできたのかい、と尋ねるHolt。ほとんどは書類の類いで見た目ほどではありませんよと答える青年。
そして改めて自己紹介する。「Edison Edwardsです。岩石博士というより、岩石博士の生徒といったところです。教授は私のことをEd-Edと呼んでいます」
挨拶を交わしているところに、豪華な馬車がやって来る。
馬車から降りて来たのは町長のKenrick Gemmerと、助役のJack Heirs。
町長たちは、ダイムノヴェルなどでCanaryを一躍有名にしたHolt連邦保安官を歓待する。
炭鉱の水の調査に来たと自己紹介するEdwardsをややぞんざいに扱う町長たちだったが、Holtは自分がこの博士の随行だと言って、彼の荷物を馬車の上に積み始める。
そして、馬車はCanaryの町に向かって出発する。

『Canary』より 画:Dan Panosian
馬車の中、この町を有名にしたHolt連邦保安官を賛美し続ける町長だったが、Holtはここに来た目的について、Edwards博士が炭鉱について質問したいことがある、と遮る。
「はい。ありがとうございます、連邦保安官。私はCanaryが銅の鉱山であることについて考えています、Gem町長。ですが、この地域においては銅鉱石の露頭は、地表千フィート以下に稀に見つかるものです」Edwardsは話し始める。
「Canary鉱山は、私の持っているデータが正確なら、深さ四千フィート、世界でも最深のものの一つです。私が不思議に思っているのは、何故Warren Companyが…」
「それほど深く掘ったかと?」町長は言う。「そうですね、実のところ、Chester Warrenという人物は夢想的な先駆者です。彼の名はカーネギーや、ロックフェラーと並び立つものです。彼の掘る鉱山は、常に可能性の境界を押し広げて行きました。Canary鉱山も、その例外ではありません」
「それが崩落するまでは」Holtが付け加える。「四十人の鉱夫を生き埋めにして」
「Warren氏自身をも含めて。そのことは憶えておいていただきたい。その深さまで降りて行き、それらの鉱夫に演説を行った彼を。我々の町の歴史の中の、悲劇的な一章です。だが、我々が乗り越えて来たものの一つでもあります」町長は言う。
「Gem町長、私が物議を醸すようなことを言ってしまったなら申し訳ありません。私はWarren氏の行動について訴求するためにここに来たわけではありません。彼であれ誰であれ、非難するのが目的ではありません。私は単に、この周辺の地域で起こっている殺人の原因となっているものについての仮説に基づいて調査し、それによりその元を断ち前進すべくここに来ているのです」Edwardsは言う。
「前進!まさに!それこそが我々がここCanaryで挑んでいるものです。ご覧ください、実のところ我々は今まさに二つの出来事により知られている。一つは鉱山の崩落という悲劇、そしてもう一つは勝利…」町長は熱弁する。
「あの偉大なるWilliam Holt連邦保安官が、Hyrum Tellを倒したところから最も近い町!私自身あのダイムノヴェルを10回以上読みましたぞ、保安官。まさに、ここで朗読できるほどに…」
* * *
二人の男たちは水場を挟み、目と目を合わせた。善と悪。英雄と悪漢。そして…
1883年。CanaryのHoltとHyrum。
…卑劣な悪漢が、彼の六連発リボルバーに手を伸ばしたとき…
撃たれた肩から血を流しながら、顔に不気味な笑みを浮かべ、水から這い上がって来るHyrum。
「まだあんたに向かって来るぜ、William」
…電光石火の早さで、名高きHolt連邦保安官は、相棒であるリボルバーからとどめの弾丸を発射した…
Holtは更に二発の銃弾を撃つ。
…そして一人の悪漢の人生を終わらせる。Hyrum Tell。ほぼ百人近くの罪のない魂を奪った殺人者。
岩場の上に倒れ伏すHyrum Tell。
HoltはHyrumが上がって来た水場を振り返る。
…かくして、Tellの魂を地獄へと直行させ、名高き連邦保安官は、背を向け、次の冒険へ向かうのであった…
Holtの頭には、最後にHyrumが言っていた言葉が引っ掛かっていた。
…ここに、我々の物語は結末を迎える、親愛なる読者諸君よ…
Holtは水場に飛び込む。
水中には足を鎖で繋がれて浮かぶ、無数の子供たちの遺体があった。

『Canary』より 画:Dan Panosian
その光景に驚愕するHolt1。
そこにHyrumが水中まで追いすがって来る。
「まだ来るぜえ!!!」
水中でHoltの首を両手でつかみ、締め上げるHyrum…。
* * *
「いかがでしたかな、連邦保安官。語り忘れたところはありましたかな?」
現在、1891年。馬車の中。
Holtを主人公としたダイムノヴェルの暗唱を終え、得意顔で手を広げる町長。
「申し上げた通り、私は表紙から裏表紙までの全ての出来事を知っているのですぞ」
「”全ての出来事”か。そうだな」Holtは言う。「なあ、町長さん、私にはあんたがある種の期待を持っているような印象を受けてるんだがね」
「だが、私と博士はある調査のためにこの町に来た、それだけなんだ。博士、その調査にはどのくらいかかるんだ?」
「数日、多くても四日ほどですね」
「完璧だな。次の列車は五日後に出発すると言っていた。博士と私は報告を終え、それに乗ることが出来る」
町の発展、イメージアップのためにHoltを利用したいという町長の思惑と、Edwardsの廃坑の中の何かが地域で連続している理解不能な事件の鍵となるという仮説は、全くかみ合わないまま、馬車はCanaryの町へと到着する。
まず町長は、Canaryの町の主な住人達を紹介する。
レストランを経営するPeter Muntzとその兄弟。
ナースのNellie Tends。
電信技士のJohn Jover。
そして、カメラマンのFrank Lamont。
Canaryの町へ到着したというところで、馬車の前で一枚写真を、と言う町長だったが、まずは一杯飲みたいと、HoltはEdwardsを伴って酒場へと向かう。
酒場に入った二人。自分は大学からほとんど出ることがないので、Holtが有名な連邦保安官だとは気付かなかったと話すEdwards。
カウンターに並び、話しながら徐々に打ち解けて行く二人。Edwardsがカウンターの中に居る女性にウィスキー2杯を注文する。
「店の奢りよ」と応える女性。
貴女とオーナーの間で厄介なことになると申し訳ないので、と断ろうとするEdwards。
「幸いなことに、私がここのオーナーよ。私はMabel Warren」女性は言う。「私の父がChester Warren。Canaryの創始者。ようこそ、紳士方」
Mabelがウィスキーを注ごうとしたグラスに手で蓋をするEdwards。
「Miss Warren、申し訳ないのですが、私は貴女から何も受け取ることが出来ません。私はあの鉱山の下の水系について、客観的な調査を行うためにここに来ました。貴女が利害関係を有している以上は…」
「その通りですわ。私は利害関係を持っています、Edwards博士。私は成人してからの人生のほとんどを、私の父の罪を償おうと試みることで過ごしてきました。私はこの町でそんな風に育って来たわ。父が運営することの冷酷さを見ながら」Mabelは言う。
「そして私は自分の人生の目的を、その正反対に、そしておそらくは彼自身の行為を償うということに定めたわ。そして私のここにおける利害関係、それは父があの鉱山で行った混乱が何であったにせよ明らかにし、最終的に修復すること」
「それでは、その手をどけていただけるかしら?」
Mabelはグラスにウィスキーを注ぎ、HoltとEdwardsはグラスを合わせる。

『Canary』より 画:Dan Panosian
そして、MabelはHoltに、彼をこの地に派遣してくれるよう、彼の上司であるCrenshawを説得したのは自分だと話す。
「あなたの名声によるものではなく、あなたが常に怖れ知らずだという評判のため。私はこの探索のために怖れ知らずのチームを必要としているわ」Mabelは言う。
「それは私が答えを求めており、そして一連の殺人事件を止めたいと望むからよ」
そして三人は、力を合わせてこれからの探索を進めるべく、乾杯する。
そしてHolt、Edwards、Mabelの三人は廃坑の調査へと臨んで行く。
隠された過去、そして地の底に彼らは何を見るのか?
何とか短くまとめようと思ってたんだが、結局長くなってしまった。今回先は長いのに…。
ダイムノヴェルなどで、その活躍を開拓時代のアメリカで轟かせた連邦保安官、William Holtが主人公。
彼の冒険譚の中でもよく知られたCanary廃坑における、殺人鬼Hyrum Tellとの対決。だがそこにはダイムノヴェルでは語られていない、Holt自身をも打ちのめす陰惨な結末があった。
その影を引き摺りつつ、退官間近に各地で起こる説明不能な殺人事件を追ううち、因縁深いCanaryへと再び足を踏み入れることになる。
というストーリーなんだが、うーん、まず言っとくがこの作品はDan Panosianの作画も含め、それなりに完成度も高く、多くの人に読まれるべきだと思っている。なんかここでやや批判的なことを書くことでその評判を損なうことにならなければというのを危惧してしまうんだが…。
えーと、この作品、最初からブツブツ言っている通り、このサイズの収めるのはちょっと無理があると思う。これは話が中途半端だったり、曖昧に終わってるというような話ではないから。
つまり、このサイズに収めるための構成がやや強引で、話が少し飲み込みにくくなっているということ。
現在のストーリーを語りながら、それと並行してその原因となったような過去の出来事を少しずつ語って行き、物語が進むにつれて真相が明らかとなって行くというのは、スナイダーの好むストーリーの作り方であり、多くの作品を経てその作劇法に精通していると言ってもいいだろう。
この作品では、その過去パートに当たるのが1話から少しずつ語られて行くHyrum Tellとの話ということになるんだが、それに加えてMabel Warrenの父、Chester Warrennによって行われる、現在の事件の原因となるCanary炭鉱の過去というのも同時に語られるという複雑な構成となっている。
ここは、まず第1話からそのままHyrum Tellに関わるストーリーを三話ぐらいで進め、そこで一旦第1部ぐらいに区切り、第2部がHoltがCanryに到着するところから始まり、そこからスナイダーの得意なスタイルでCanaryの過去を現在のストーリーと並行して語り、TPB全2巻ぐらいにした方が良かったんじゃないかと思うんだが。
こういう言い草って後知恵と思われるかもしれんが、ある意味それと逆で、ストーリー全体を把握した現時点で読み返すと、頑張ってこのサイズでうまくまとめてるよな、と見えてしまうんだけど、いざ説明しようと思うとややこしいみたいなところから来てるんだよね。
主にセリフなどのテキスト量についてはかなり多く、ここんところは画像も加えて説明した方がいいだろうと思うところも結構あるんだが、あんまり「欠点」というような方向で指摘したいとは思わない。
スナイダーのその辺のテキスト部分については、過去作と読み比べれば、明らかにコミック=マンガとして読みやすい適正な形という方向に進化し続けていると思うので。
例えば過去のバットマンあたり読んでみると、以前に書いたような映画などの映像作品的なイメージで、カメラが長回しされているシーンでしゃべり続けているような感覚で読者が読むと期待しているようなタイプの長いセリフを一つのフキダシに入れてしまうようなことが多々あり、今でも、まあこれだけ強引という感じに話を詰め込んでしまうがゆえの苦し紛れもあるんだろうが、時々は見られるが、ほとんどはそれが長いセリフであってもそういう無理槍っぽいところはなくなったように思う。
これについては結構感覚的なところで、上手く説明できてるとは思わないんだけど、極端な話で言えば、キャラクターの話していることとして読めるか、文章として読むような形で理解しなきゃならんかというようなことだと思うんだが。
大変テキスト量は多いんだが、そこを単純に批判するのは、コミック表現の範囲を狭めてしまうだけだと思うので、そういうことを言うつもりはない。
ただなあ、これはスナイダーが絵描きでないがゆえに思い至らなかった部分だと思うんだが、Holt連邦保安官を主人公としたダイムノヴェルは、どっかに表紙の画像を入れるぐらいのことはした方が良かったと思うよ。
Night Of The Ghoul / 画:Francesco Francavilla
というわけで、最初に書いた通りここからはその他のスナイダーによるComixology Originals2作を続けて短く紹介して行きます。こちら『Night Of The Ghoul』は、『Canary』より前の2022年に、Francesco Francavillaの作画により出版。先に書いたように「その他」みたいになってるのは個人的な好みによる『Canary』推しというぐらいのものからで、こちらは映画化も進行中らしい作品。
■Story
人里離れたカリフォルニアの砂漠地帯の奥にある老人ホームを、ある夜、父と息子の親子を乗せた車が訪れる。
保険会社からの調査のため訪れたという父親Forest Innmanは、ホームで療養中のCharles Patrickという男性との面会を求める。
暗い施設内の通路を通り、Patrickの病室へと案内される。そこにいたのは過去の火傷で皮膚が焼けただれた顔を持つ、点滴に繋がれ酸素マスクを着けた、もはや身動きもままならない老人だった。
病室で二人きりとなった時、Innmanは自分が保険会社の調査員であるというのは偽りだと告げ、彼を訪問した本当の目的を話す。
Charles Patrickというのは偽名で、あなたの本名はT. F. Merrit。その時期におけるもっとも偉大なホラー映画と言われながら、公開直前の1946年のスタジオの火災によって失われた幻の映画、『Night Of The Goul』の監督だ。
末端の映像技師として働くinnmanは、その仕事の過程で偶然『Night Of The Goul』の全体の半分ほどのフィルムを発見する。その内容に驚愕した彼は、か細い手掛かりを辿り、遂に監督であるT. F. Merritを発見した。
「私は『Night Of The Goul』と貴方に何があったのか、その真実を教えてもらうために来たのです」残されたフィルムが入った『Night Of The Goul』のラベルが貼られた缶を差し出し、Innmanは告げる。
映画は第1次世界大戦でイタリアに出征した兵士たちの話から始まる。人里離れた村へ進軍した部隊。その中の一人の男が、森で恐るべき怪物と遭遇する。
何事もなく無事に故郷に帰還したと思われた男。だがその男は息子の目から見て、見た目のみは変わらないが、その内側は全くの別人に変貌していた。
その男の息子こそが後に映画監督となるT. F. Merrit。そして映画『Night Of The Goul』は、彼自身が体験した恐るべき怪物との闘いを描いた実話だったのだ。
失われていた真実、そしてスタジオ火災によるフィルム消失の真相、隠されていた恐怖がMerritにより語られて行く。
そして、現在Merritが収容されている施設。実はそここそが失われた映画からそのままつながる怪物たちの棲み処だった。Innmanと、彼に同行した息子に恐るべき魔の手が迫る!

『Night Of The Ghoul』より 画:Francesco Francavilla
なんか短くまとめようとしたら、「恐るべき」とかいう形容詞のストックがあっという間に尽きて繰り返しになった感じが…。まあいいか。
『Canary』のところでも言った現在のストーリーを進めながら、過去が語られ恐ろしい真実が見えてくるという、スナイダーお得意の構成。『Canary』よりもその入れ子構造というようなものがシンプルでわかりやすい。
Francesco Francavillaの独特の作画タッチも相まって、B級ホラー映画感満載という感じの作品。実は現在のストーリーの方のInnmanの家族についての話は、内容を複雑にしてるちょっと余計な要素ではと思ってたんだが、なんかこの中途半端さが逆に90年代頃のビデオスルーのホラーみたいなチープ感出してていいかもと後から思った。いや、B級から更にランク下げてどうするなんだが。なんにしても無事に映画化されたら、お馴染みパターンでファミリー要素マシマシになるんだろうけど。
『Canary』より一年前なんだが、フキダシ内のセリフは少しそっちより整理されてなくて長い感じがあった。だがもしかするとネームぐらいの段階で、Panosianの方が、が一つのフキダシに詰まってるセリフを二つぐらいに分ける提案をしたのかもとも思う。ただ、この作品については過去の回想的な部分を映画と言う決まった形で表現するという事情があり、現在時点での会話の背景に説明的なイメージを入れるという手法が使いにくかったため、余計に延々としゃべるという印象になったのかもとも思う。まあこの作品については、少しセリフ一生懸命読んでくださいというところか。

『Night Of The Ghoul』より 画:Francesco Francavilla
Francesco Francavillaは、1950年生まれのイタリア出身のアーティスト。イタリアでキャリアを積んだ後、2000年代半ばごろから、アメリカでも活動を始める。現在の基盤はというところまではよくわからないのだけど、アメリカでの仕事が主かと思われる。パルプ感、レトロ感というところが作風の特徴。2013-16年の『Afterlife with Archie』とかかなり印象的だったけど、代表作というところでもないのかな?
オリジナルの代表作としてはDark Horseからのレトロヒーロー物『The Black Beetle』。2010年代のDark Horseヒーローユニヴァースリバイバルの一部かと思ってたんだけど、それとは別らしい。結構気になってた作品なんで、どっかで書く機会でもあればと思う。まああっちもこっちもさっぱり進まん現状ではなんだが…。
スナイダーとのチームということでは、DCのThe New 52直前のDetective Comicsから。この『Night Of The Ghoul』に引き続き、DSTLRYで同じくスナイダーによる『White Boat』が進行中。ベースがホラー作家のスナイダーとは大変相性もいいところなのだろうね。
Barnstormers / 画:Tula Lotay
こちらは2023年、『Night Of The Ghoul』と『Canary』の間に出版された作品。作画は英国出身の女性アーティストTula Lotay。この作品は2023年アイズナー賞のBest Digital Comic部門を受賞している。
そういう受賞歴なんかからも、まずこっちをやるべきだろうということなんだが、なんでこんなに要約みたいになってるかというと、えーと…、自分ロマンス物苦手という惰弱な理由…。
実際には三作の中ではこれを最初に読んで、これはやらなければと思いつつなんか後回しにしてモタモタしてて、いやスナイダーやんなきゃダメだろうと思い立ち、三作まとめてみたいなことを思いついたという次第だったり…。
いや、ストーリーも作画もホント素晴らしいっすよ。ただこれAmazonでShojo (Girls) Mangaなんてタグまでついてるんだよな…。
■Story
1927年。第一次大戦の英雄パイロットHawk Baronを名乗るBixは、自身の愛機で各地を飛び回り、興行を行いその日暮らしの生計を立てていた。
ある町で資金に窮した彼は、友人のパイロットから聞きつけた外の土地に伝手を広く持っている電話の交換手と仲良くなり、新しい土地での仕事を探すという方法を試す。狙った美人交換手からは冷たくあしらわれるが、なけなしの手持ちを渡すことで彼女の知っている町を紹介してもらう。
だが、聞いた場所はなかなか見つからず、空を彷徨い燃料も乏しくなってくる。そのうちにやっとで、多くの人が旗や手を振る屋外のパーティー会場を見つける。
歓待に応え着陸しようとしたところで、機が不調を起こし、コントロールを失いパーティーのテーブルを薙ぎ払いながら、やっとで地上に降り立つ。
だが、そこで行われていたのは彼を歓迎するパーティーではなく、その土地の有力者Carlyle家のPeytonの結婚パーティーだった。
パーティーを台無しにされたことに怒るPeytonと手下にボロクズのように殴打されるBix。
しばらくの後、監禁されたガレージで意識を取り戻すBix。だが、手錠の鍵はなぜかかけられておらず、簡単に外しその場から逃げることが出来た。
置き去りにされた愛機を見つけ、走り寄るBix。だがそこにいたのは花嫁のTillieだった。
望まぬ結婚から逃れるため、自分を連れて行ってくれと頼むTillie。そしてライフルを突きつけられ、渋々Bixは愛機を飛び立たせる。
そして二人の逃避行が始まる。地元の有力者に詳しいTillieの誘導により、各地で毎日のように開かれるパーティーに潜り込み、金品をかすめ取る。
飛行に慣れたTillieと共にアクロバット飛行を行い、そちらでの稼ぎも上がって行く。
そんな中で二人の関係は接近し、より強く結びついて行く。
一方で面子をつぶされたCarlyle家は、進まぬ警察の捜索に苛立ち、ピンカートン社の有能な探偵、Zeke Westを雇い捜査に当たらせる。
そして逃亡する二人への包囲網は狭められて行く…。

『Barnstormers』より 画:Tula Lotay
御覧の通り、作画についてもストーリーについてもケチのつけようがないぐらいの作品で、「なんかちょっと苦手」で後回しにしてしまってごめん…。
画についての考えで、動きを優先するか、構図などの美しさを優先するか、というものがあるが、コミックという形式の中では、Tula Lotayぐらい描けてはじめて言えるようなことだよな、と改めて思う。ストーリーの傾向に合わせ、コミックのスタイルの方向の意味ではないクラシックな印象を目指す作画だが、他の作品を見ていないのでこれがLotay自身のスタイルというものなのかは判別できないんだが。
囲みを使わず背景の上に直接書かれるモノローグなどのテキストも多いのだが、その辺も昔の絵物語(という言い方で正しいのか?)や、挿絵のように見えるクラシック風の印象を与えるテクニックの一つなのだろう。
コミックのセリフの入れ方というのを、スナイダー作品における注目点として書いてきているんだが、そういった手法からもこの作品ではあまり考えても意味ないかと思う。

『Barnstormers』より 画:Tula Lotay
Tula Lotayは英国出身の女性コミックアーティスト。
幼少時、失読症だった経験を持ち、コミックショップの店員だった2007年、イギリス最大のコミックコンベンションとなっているThought Bubble Festivalを、特に読書に困難を抱える子供へのコミックの普及という目的も持ち、創設に尽力する。実はイギリスでのアーティストとしての活動はそれほどはなく、その後2010年頃からアメリカのImage ComicsやVertigoからということのようだが、こういった活動からイギリスのコミック作家とは関係が深いのだろう。
代表作としては2014年のウォーレン・エリスの『Supreme: Blue Rose』となってるんだが、まだこれでいいんだよね…?ウォーレン・エリスとは2015年から『Heartless』という現在も未発表の作品を進行中ということらしい。
その他、同2014年にはVertigoでSi Spencerの『Bodies』にも参加。英国ではTVシリーズ化もされたSFクライムサスペンスということで結構気になってたんだが、ほとんど忘れてた。持ってるのに…。なんか読むのが遅いという以前に、常に読めるキャパを越えて本を買ってしまうので、こんな面白そうなもんも埋もれて忘れかけてるようなことがしばしば起こる…。最近じゃ日本のマンガまでそんなことになり始めてたり…。とにかく早く読んでみたいんでそのうち書くかもしれません。
その他にも、最近ではアイズナー最優秀新シリーズ賞を受賞したDSTLRYからのBecky Cloonanとの『Somna: A Bed Time Story』など。割とカバー画担当が多く、コミックとしての作画作品は少なめに見えるが、結構重要なところに関わってる人のようです。それにしてもBecky Cloonanについても何かやんなきゃなあ…。
とりあえず、ここで一旦スナイダーのComixology Originalsってところをまとめておこう。最初にアナウンスされた8作品のうち、半分の4作クリアしたし。
SF、ウェスタン、ホラー、ラブロマンスとバラエティに富んだ様々なジャンルの作品というところは、スナイダーの心の師匠であるスティーブン・キングを思わせるんだが、まあ実際にかなり意識しているんだろう。ラブロマンスなんてのも出てくるところを見ると。
アメリカのコミックTPBの150ページ前後というサイズに収めるのはやや強引というストーリーもあるが、様々なジャンルに挑むことにより、スナイダーの様々な一面が見えてくるというシリーズ、なのだろう。いや、なんか最後曖昧なのは、自分がまだスナイダー作品読み足らず、スナイダーのコアみたいな部分が見えてないからなんだろうな。とにかく格好良くそれなりにまとめる感じで言わないなら、まあとにかくどれも面白いと思うよ。
そして更に魅力的な部分としては、スナイダーのスナイダーのコミックを見る目の鋭さと、そのキャリアによる幅広いコネクションにより選ばれ、起用された個性的な実力派アーティスト達による作画だろう。結構前にやった『Clear』のFrancis Manapulも含め、まだまだ言い足りないところも多かっただろうと思う。
そんな感じで見どころも大変多いスナイダーのComixology Originalsシリーズ。残り4作もやって行くつもりなので、気になったやつから手に取って読んでみてください。
と、一旦まとめた後、下のリストを作ってたら当初アナウンスされた8作の他に『By A Thread』というシリーズがあるのに気付いた。こちらはスナイダーの息子Jack Snyderとの共作で、現時点では完結しておらず、TPBは1巻のみ。あまり詳しいことは分からないんだが、多分Jackがメインとなってる作品で、スナイダーはサポート的なところではないかと思われる。
Absolute Batman
あんまりこっちの方は得意じゃないんだが、やっぱり現在のスコット・スナイダーについて語る上では、少々ぐらいでも言及しとかんといかんのだろうな。
一応、アメコミについてあんまり知らない人にも読んでもらいたいと思ってもいるんで、やや蛇足かもしれんけど最初っから説明する。
『Absolute Batman』は、2024年から始まっているスナイダーが全体の監修という形でも関わっている、DCコミックスの新たなリランチであるAbsoluteユニバースの柱となるシリーズ。リランチというのにも様々なものがあるが、今回のこれは多元宇宙の中に新たにAbsoluteユニバースという宇宙を作り、そこでDCコミックスの重要なシリーズを全く違う設定で新たに始めるというのが特徴。
調べて行くとどんどんややこしくなるんだが、まずDCコミックス全体の方から行けば、2022年からやってた『Dawn of DC』というクロスオーバーストーリーラインが、2024年の『Absolute Power』で終結し、そこから新たに始まった『DC All In』の一部となるのがAbsoluteユニバースということ。『DC All In』というのは継続中の従来のDCユニバースも含む全体のものなので。
AbsoluteユニバースはDC全体の世界観の中では、近年のシリーズである『Doomsday Clock』、『Dark Nights: Death Metal』、『Infinite Frontier』のコンセプトと関係していて、Metaverseと呼ばれるDCのマルチバースの柱の一つであるEarth-Alphaが舞台となっている。これは強大なスーパーヴィランであるDarkseidが投獄されていたEarth-Omegaと並んだところに位置する。スナイダーの語るところでは、メインとなるDCユニバースがSupermanのエネルギーに影響されているのに対し、AbsoluteユニバースはDarkseidのエネルギーに影響されているため、ヒーローたちは社会的弱者として存在するということ。
まあこの辺は把握してる人もいると思うが、一方では何の話だかさっぱり分からんという人もいるだろうが、要するにこのAbsoluteユニバースというのは、従来のシリーズと全く関係なく新しく始めたというようなものではなく、多元宇宙という形で元々のシリーズと繋がっているということは分かっていた方がいいだろうと思う。特に日本だと、こっちのマンガではこれは元のシリーズとは全く関係ない新しいやつですよ、ということも起こりうるため、全然関係ない新しいバットマンとか思ってしまう人もいるかと思うんで。ただし、この『Absolute Batman』に関しては、映画からの知識程度でもバットマンを知っていれば、全く新しいバットマンを最初から読むような感じで読めるものではある。しかし、まあこれは必ず元のシリーズと繋がる時が来るんで、そこでややこしくなるだろうけど。
Absoluteユニバースでは、2024年にまずスナイダーによる『Absolute Batman』、Kelly Thompsonによる『Absolute Wonder Woman』、ジェイソン・アーロンによる『Absolute Superman』が出版され、続いて2025年にはJeff Lemireによる『Absolute Flash』、Deniz Campによる『Absolute Martian Manhunter』、Al Ewingによる『Absolute Green Lantern』、2026年にはPornsak Pichetshoteによる『Absolute Green Arrow』、スナイダーとChe Graysonの共同脚本による『Absolute Catwoman』が始まっている。作画については長くなりすぎるのでとりあえず省略。
Kelly Thompson、ジェイソン・アーロン、Jeff Lemireといったアメコミ方面でも経験の多い2010年代からのスター作家を起用。Al Ewingについては、すっかりマーベルのメインライターぐらいまでのし上がったが、英国ではアメコミは一旦置いといてイギリスに帰って『Zombo』の続き書いてくれよと思ってる人はまだ多いだろう。日本じゃ私一人だろうけど。
Deniz Campは、あのImage Comics『20th Century Men』の人。これについてもやらなきゃとずっと思ってるんだが…。
エディター出身のPornsak Pichetshoteについては、Image Comics『Infidel』を読んだ。アメリカではちょっと珍しい方のアジア風悪霊ホラーで、かなり怖いし悪くないんだが、アメリカにおけるマイノリティ人種に対する偏見の問題などの要素も取り入れ、少し複雑になり過ぎてるかなあ、とか思ってるうちにまた後回しに次ぐ後回しに…。
Che Graysonは女性映画監督で、2010年代からコミック制作にも多く関わっており、有色人種の女性に関する問題提起の活動も多く行っている人。
後半の作家たちについて思うところとしては、なんかこういう形などで上手くチャンスを得れば注目を浴びメジャーになってくような、中堅や新鋭ってところの作家を多く紹介して行こうと頑張っているつもりではあるんだが、なかなかうまく行かんねえ…。省略してしまった作画アーティスト達だが、もはやワールドワイドで、アメリカ原産の方が少なくなってるところなんだろうな。
Absoluteユニバースは、近年沈滞気味のメジャーアメコミの中では、かなり成功したリランチということのようだ。そしてそれを大きく牽引しているのはスナイダーによる『Absolute Batman』。
まだその辺についてのアナウンスはないが、ワーナー系列のDCゆえ、映画化というのもすでに水面下で動いているのではと想像される。まだ数年先ぐらいの単位になるだろうけど、その時には『Absolute Batman』も翻訳日本語版が出版されるのではないかな?
というところで『Absolute Batman』。こっちに関しては、読んでる人も多そうだし、ストーリーを詳しく説明する必要もないよね。
少年時代に学校の社会見学で動物園に行き、そこで起こった無差別乱射事件により教師であった父を殺され、悪との闘いへと向かいながら成長した、現在は20代土木技師のブルース・ウェイン。オリジナルと違い母は生きていて、こちらの世界では市長となっているゴードンのスタッフとして働いている。ゴードンのいないゴッサム警察は、バットマンに対しては敵という形になって行くようだが。大きな違いとして、執事だったアルフレッドはこちらの世界では、MI6に属するらしいベテラン工作員で、TPB第1巻の最後ではブルースと協力関係になるが、こっちのアルフレッドはブルースをお前呼ばわりぐらいしてるような、オリジナルから考えるとあり得ないぐらいの関係。個人的に注目している今後の展開は、ブルースの子供時代の仲間たちが、オリジナルバットマンでお馴染みのヴィランへと変って行くところ。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』みたいな『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ゴッサム』になるかも?その他、バットマンの新しい武器やら、バットモービルについては、そっちについて熱く語ってる人いるかもと思うんでそっちで探してみてください。
そして、これまで自分の方でスナイダー作品の中で注目してきた、セリフ等のテキストの扱いや、限られた中でどのくらいの量のストーリーを語るかというところは、この『Absolute Batman』において、ひとつの新しい方法論へとたどり着く。
それはアクションなどを大きく見せたい大ゴマと極端に小さいコマの組み合わせ。ページによっては15コマ以上に割られているところもある。全体的に現在のアメコミの標準や、おそらく日本のマンガと比べてもページ当たりのコマ数が多めのレイアウトになっている。

『Absolute Batman Vol. 1: The Zoo』より 画:Nick Dragotta
あっちこっちでバラバラに思いついた時に書いて来たので、ここで一旦まとめて説明すると、まずコミック=マンガのセリフは映画など映像作品のものとは違うということ。そういうところで自然に話されていた会話をそのままの感覚でコミックにもってくると、多くの場合は量的にも長さ的にも不自然に見えるものになってしまう。つまりコマの連続で読ませるコミック=マンガという表現形態では、それぞれのコマ=カットで適正な形のセリフを入れないと流れが悪く、作者が期待するように読者に読ませられないものとなってしまう。
ここんところ説明が大変に難しく、単純に量や長さでなく、例えばその作品の中独自のセリフの中の言葉のリズムみたいなものも関係して来るものなのだけど。
結局勘みたいなものになってしまうんだが、これについてはアメリカのコミックよりも日本のマンガの方が長けている。それはアメリカのコミックが伝統的にシナリオ担当と作画担当に分かれているのに対し、日本のマンガ家が基本的には誰でも自分のオリジナルを描くところから始めるという違いによるもの。つまり日本のマンガ家は、それによりその辺のセリフの読ませ方の勘みたいなものを基本的に身に付けているということに由来すると考える。
現在のアメリカのコミックは、過去のものに比べそういったところが進歩し、読みにくいセリフが減ってきているのだが、だがそれは多分日本のマンガからの影響というものでもないのだろうということは一応付け加えておく。なぜなら翻訳という形を通すことで、本来のリズムといったものは多くの場合壊されてしまうものだから。
アメリカのその変化は、2000年代頃からのベンディス、ブルベイカー、あるいはJeff Lemireといった自身が作画も手掛けるオリジナル作品から出発する作家の台頭によるものだと思う。大体自分のこの辺の考えというのは、ベンディスのオリジナル作品における実験的というスタイルにも踏み込むようなこういった読ませ方についての試行錯誤を見たり、ブルベイカーのオリジナル作品がなぜセリフがかなり多いにもかかわらず読みやすいのかと考えて、それらをアメリカの少し前のコミックと現在のものとの違いに照らし合わせたというところからきているものなので。
さて、スナイダーに話は戻るが、彼の作品の作り方がそういった方向で進歩してきたことについては既に書いた。そしてこの度の『Absolute Batman』に臨むに際し、このくらいの量のストーリーを無理なく読ませるためにはどうすればいいかと考え、コミックのコマ割り、ページのレイアウト構成を工夫するというところに思い至ったのだろうと思う。
だが、作画まで自身が担当した経験のないスナイダーはその辺の勘みたいなものが、前述のベンディスやブルベイカーといった作家に比べて弱いのは多分本人も自覚しているところなのだろう。
そこで、スナイダーはその部分を作画Nick Dragottaに頼る。Nick Dragottaは、あの怪人ジョナサン・ヒックマンと組んで『Fantastic Four』や『East of West』を作ってきたアーティスト。この作品の制作にあたり、スナイダーが単にシナリオを渡してという形ではなく、全体のレイアウトを決めるネーム段階で細かい打ち合わせを重ねてという方法がとられてきたのだろうことは想像できる。
実際のところ、TPB第1巻で唯一作画がDragottaではなく、Gabriel Hernandez Waltaに変わる第4話では、クレジットが[プロット]という形でスナイダーとDragottaの連名となっており、これはスナイダーのシナリオをDragottaがレイアウトし、ネーム原作というようなものにまで起こしたものを渡して作画されたものと思われる。

『Absolute Batman Vol. 1: The Zoo』より 画:Nick Dragotta
だが、このコマを小さくして行くという方法がスナイダーの最終結論なのか、というとそれもまた違うのではないかと思う。自分の物語をコミックという形でどう表現するかを、また新たなアーティストと組んで模索し、進化して行くのがスコット・スナイダーというコミック作家なのだろう。アメリカのコミック全体の動きの中でも、最重要と言える作家の一人として、スナイダーについては今後も注目して行かねばと思うものです。
というわけで、結構時間もかかっちまったんだけど、なかなかやれなかったスナイダーについて、現行『Absolute Batman』も含めた、現在のスナイダーをやや俯瞰できるスコット・スナイダー特集ぐらいまで持って行けたのではないかと思います。
前回また間に短いの書くというようなこと言ってたのだけど、あまりになかなか進まないため、とりあえずはこっちを先行して決着つけることにした次第。前に他にも長いのに取り掛かっているというようなことをブツブツ言ってたんだが、とりあえずのところは短いのを二つぐらい先に書く予定。なんかその辺の新しいところも書こうと思ってるのが溜まって来て、自分的に新しいのなかなか読めないぐらいの気分になっているので。とにかくちょっとあっちもこっちもで身動き取れない感じでもあるのだけど、今後もできるだけ多くのコミックについて書いて行けるよう精進するものであります。
Scott Snyder
■Comixology Originals
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