Sheriff of Babylon / Tom King+Mitch Gerads

今回はトム・キング/Mitch Geradsによる『Sheriff of Babylon』。2015~16年にVertigoより全12話TPB2巻にて発行されました。2004年、イラク戦争直後のイラクを舞台にした、かなりの問題作。

2015~16年というのはトム・キングにとって当たり年ぐらいの時で、その年の各種年間ランキングでキングの『The Vision』、『The Omega Men』とこの作品が上位を独占していたのを思い出す。キングの才能が開花したのか、それとも世間がそれに気づいた時期だったのだろう。それがのちの『Batman』メインライター起用につながって行くわけだが。この作品はそういう時期のキングにとって初となるオリジナル作品です。

Sheriff of Babylon

というところなんだが、これについてはどう書けばいいのか、かなり悩む。

何か特に難解というほどの話ではないのだが、キングはこの作品で、かなり特殊というのか、斬新というのかぐらいのスタイルや構成方法を使っていて、それゆえただ整理してあらすじを書く方法でも、最初のページからひたすらシーンを描写して行く方法でも、作品について正確に伝えることができないように思う。

ここはまずそのスタイルや構成方法から説明するのがいいかと思うのだが、ただ一方で当方まだキングの他の作品をちゃんと読んでいなくて、それがどこまでキングのこの作品限定でないスタイルなのかということもあまり把握できていない。例えば、アラン・ムーア/デイブ・ギボンズに通じるページを9分割、または6分割する手法は、キングが他の作品でも多用しているようだというぐらいにはざっと見たが、それがこの作品ではムーア/ギボンズのそれとはかなり違う表現のために使われているのだが、他でもそうなのかということまではわかっていないというようなこと。他のキング作品を早急に読まなければというのも当面の課題だが、とりあえずここではキング作品に共通するものではなく、この作品限定という解釈で読んでもらいたいということで。

■スタイル・構成方法

まずこの作品全体の構成で言えば、ジグゾーパズルのように個々では意味が完全には把握できないような断片を組み合わせて行くことにより次第に全体の形が見えてきて、全てのピースが組み合わされることでそれが完成するというもの。等分割のコマというところから、背後の画を隠していたパネルがめくられるというようなイメージもいいかも。

それ自体はよく使われる構成なのだが、ここで問題となるのはそのそれぞれの断片である。

それらの断片をキングはドキュメンタリー(またはフェイクドキュメンタリー)映画的な手法で描く。ここで混乱してはいけないのは、これが内容としてのドキュメンタリーやノンフィクションではなく、映像、表層としてのドキュメンタリー的表現ということ。その表現のために用いられるのが等分割されたコマ割りと同じ構図=固定された演出のないカメラというわけである。

説明やモノローグというものは基本的になく、それぞれの断片となるものは時系列順にその場で起こっている事実の表層として、読者の前に一定の距離を置く形で描かれる。

その一つの例が銃撃シーン。発射される銃口や攻撃者のアクションなどが一切ない黒ベタの中の白い「BANG.」という文字のみで等分割されたコマ割りの中に挟まれる。

『Sheriff of Babylon Vol. 1: Bang. Bang. Bang.』より 画:Mitch Gerads

例えば極端な省略による強調とでもいえるかもしれない。現実に、というかニュースなりドキュメンタリー映像で唐突に銃声が鳴った時、見ている側は何が起こったかわからず、まず意識はその音に集中し、次に誰かが倒れていたりというのを見て銃が発射されたと認識する。そういう効果も持つ表現である。ちなみにやや大きめのコマの中で、銃が発射された場面にモノローグに用いられるような囲みでこの「BANG.」を入れるというような使い方もしている。

キングはこういうテキストのみのコマを挟んで特別な効果を出す方法をブライアン・K. ヴォーンの『Y:THE LAST MAN』からいただいたとインタビューの中で言っていた。キングは割とこういうネタ晴らしをフランクに言っちゃう人のようで、等分割されたコマ割りもムーア/ギボンズからいただいたと言っていたそうだ。

だが、ムーア/ギボンズのそれが作品のリズムを重視するムーアによる、読ませるリズムをコントロールするための手法である一方で、キングの方はやや重い題材を扱う故にかの極端なまでの客観的視線を作る目的というもので、同じように見えて少しその使い方は違っている。

しかしこれはこれで、他の作品ではもっとムーア/ギボンズ的使い方なのかもしれないなど、結局他の作品をちゃんと読まなければ、というところに戻ってしまうばかりで申し訳ない。ビッグ2作品もキャラクターや大まかな歴史が把握できるくらいには読んでるつもりなんだけど、もっと作家中心ぐらいの視点で系統的に読まねばと改めて思うが、そういうときいつも引っかかるのが、コレの前のアレ読んでない問題なんだよなあ…。

こういう少し独特の手法により、それぞれ立場の異なる3人の人物に焦点を当てた断片が描かれ、それらを組み合わせて作られて行くのがこの作品である。ということで次はその3人の登場人物について。

■登場人物

『Sheriff of Babylon Vol. 2: Pow. Pow. Pow.』より 画:Mitch Gerads

Chris

アメリカ人。元警官。自ら志願し、イラクの警察の再編成、新しい警察官の教育に携わる。彼がこの仕事に志願したのはある理由があるのだが、それが明らかにされるのはTPB1巻の後半ぐらい。

Sofia

イラクの上流家族の出身だったが、アメリカ留学中にサダム政権に家族を皆殺しにされ、米国内で政権打倒を訴える活動に尽力。戦争終結後はイラク国内にて、米軍と暫定政権、国内の有力者などの交渉役として奔走する。Chrisとは恋人関係にある。

Naasir

元サダム政権下の警官。当時の警察内では高い地位にあった。3人の娘がいたがすべてイラク戦争で失い、現在は妻と二人暮らし。これまでに味わってきた様々な苦渋から、常に虚無感と疲労感を纏っている人物。Sofiaとの個人的な繋がりから依頼され、Chrisの捜査に協力する。

■Story

2004年2月、バグダッド、米軍統制下のグリーン・ゾーン。サダムの剣のモニュメントのあるかつての軍事パレード広場で、放置された頭部を銃弾で撃たれた一体の身元不明の男性の遺体が発見される。

『Sheriff of Babylon Vol. 1: Bang. Bang. Bang.』より 画:Mitch Gerads

Chris

思うように進まない新人警官の訓練に業を煮やしながら、基地内のレストランへ向かうChris。だがレストランでは何事かが発生したようで、急ぎ退去する人々が向かってくる。

「何があった?」

「スーサイドボムを抱えたガキが立て籠もってる!早く逃げろ!」

腰のホルスターの銃を隠し、レストランへ入って行くChris。ピーナツバターを塗ったパンと水のボトルを持ち、中にただ一人残っているまだ幼い少女の前に座って穏やかに語りかける。

この戦争に何が欠けてるか知ってるかい?チョコレートさ。俺の親父も昔戦争に行って、何度も聞かされた。チョコレートは好きだろう?

[BANG.]

「おい!やめろ!クソックソッ!やめろ!」

[BANG.]

「大丈夫なんだ!この子は…」

少女は既に頭部を破損し、椅子の上に崩れ折れていた。

雪崩れ込んできた対爆弾防護服の兵士たちが少女の遺体を取り囲む。

「何を考えてるんだ、お前は?とっとと出ていけ!」

「俺はあの子を助けようと思ったんだ。」

「助ける?お前自分がどこにいると思ってるんだ?」

RINGRINGRING Chrisの携帯が鳴る。

Sofia

米軍高官:「アサシンズゲートが例の抗議活動で3日も封鎖されて困っている。何とか対処してくれ給え。」

病院経営者:「我々の抗議行動は、貴重な薬品類が盗まれ続けている現状にある。米軍が供給量を増やしてくれなければ我々も生き延びられない。」

部族代表:「ああ、彼らは我々の部族の者だ。トラックを使っているのは彼らで、確かに悪党だ。だが彼らは家族であり、私の方で対処することはできないんだ。」

男:「トラックは俺のもんだ。俺は女房子供を食わせなきゃならならない。「アメリカの娼婦」のあんたに何ができるって言うんだい?」

「理解いたしました。」

「だが、あなたは色々と勘違いをしている。」

「「アメリカの娼婦」というのは正しくない。」

Sofiaは傍らのバッグから拳銃を取り出し、テーブルの上に置く。

「私の祖父はイラクの偉大なリーダーだった。」

「だがサダムは祖父を殺し、父とすべての家族を殺した。アメリカに留学していた私以外を。」

「TVでそれを見ていた私以外を」

「以来12年間私は国を取り戻すためアメリカに働きかけ続けてきた。」

「私は自らを差し出し、そして今ここにいる。」

「私はそういう意味で「娼婦」なのでしょう。だが「アメリカの」ではない。」

「そしてあなたは勘違いをしている。」

私はトラックのために来たのではない。既にトラックは回収している。そしてそれを運転していたあなたの従弟のAliは既に死んでいる。トラックの在り処を話してくれたあなたの弟のFaridも既に死んでいる。ああ、忘れるところでした。あなたの兄のHassanもです。

「あなたの妻と子供も確保しましたが、彼女たちは安全です。」

「それはいくらか慰めになるでしょう。」

[BANG.]

[BANG.]

「少なくとも彼女たちはこれをTVで見る必要はないですから。」

[BANG.]

男:既に物言わぬ死体。

部族代表:「今回のあなたの働きには感謝しています。我々の助けが必要な時は言ってください。」

病院経営者:「供給の正常化により、抗議行動は中止しました。我々の力があなたの活動に必要な時にはいつでも言ってください。」

米軍高官:「有難う。君の働きには感謝している。予定されているT-COM契約については全面的に君に任せるよう推薦するつもりだ。」

RINGRINGRING Sofiaの携帯が鳴る。

Naasir

-俺は祈る。だが神がそれを聞いているなどと信じてはいない。

「俺はムハンマドに従った。だが彼は今どこを歩いているんだ?」

「俺は偉大な指導者サダム・フセインの家来だった。だが我らの偉大な指導者はどこにいるんだ?」

-俺は我らの救済者アメリカの家来だ。だが我らの救済者はどこにいる?

「充分よ。あなたがやるべきことをやりなさい。」

Naasirの前に彼の妻が拳銃を置く。

-俺は警官だ。法の番人。だがここには法などない。

Naasirは銃を手に取る。

-結構なことだ。

Naasirは地下室に降りる。そこには縛られた三人の米兵がいる。

「俺の長女の名前はFatima。母親と同じだ。」

[BANG.]

「次女の名前はAssla。とても可愛い娘だった。」

[BANG.]

「一番下の娘はNahima。俺の家に爆弾が落ちてきたとき3歳だった。3歳だ。」

[BANG.]

「俺にはもう一人の娘も残っていない。」

RINGRINGRING 階段の上のNaasirの家の電話が鳴る。

『Sheriff of Babylon Vol. 1: Bang. Bang. Bang.』より 画:Mitch Gerads

Chris

電話はキャンプの遺体保管所からだった。軍事パレード広場に放置されていた射殺死体はChrisが指導している警察官訓練所のIDを持っていた。名前はAli Fahar。これがお前の管轄の死体ならすぐに取りに来い。こっちは余計な死体に構ってる時間はないんだ。

「警察には連絡したのか?」

「誰が警察だ?お前じゃないのか?」

「クソッ、ここにはいないのか?保安官なり何なり?」

Sofia

電話はChrisからだった。何とか助けてくれないか?俺が訓練している警察官候補の一人が死体で見つかったんだが、どうすればいいか見当もつかない。

「わかったわ。詳しく話して頂戴。」

Naasir

電話はSofiaからだった。グリーンゾーンで犯罪が発生し、捜査官が必要だ。

「警察はなくなった。俺はもうそういう仕事をするつもりはない。」

「気持ちはわかります。ところであなたが希望した三つの荷は届いたかしら?」

「ああ、荷は届いた。」

「今、処理も終わった。」

「それは何よりだわ。」

「わかった、捜査官が必要なら、自分が何とかする。」

以上が第1話。

物語は冒頭で発見された放置された死体の謎を追うミステリという形で始まる。

発見された死体がChrisの訓練している新人警察官候補の一人Ali Faharであることが所持していたIDから判明し、Chrisに連絡が来るが、警察機能の停止しているイラクでは殺人事件の捜査も行われる可能性もなく、自らが動くしかなくなる。しかし、元警官といえども異郷の地、こちらで捜査するためのノウハウもなく、恋人で暫定政権の中に居り顔も広いSofiaに相談し、元サダム政権下の警官Naasirを紹介される。

遺体保管所からAli Faharの遺体を引き取り、二人はAliの家族の住所へ向かう。

だが、彼らが到着したとき、すでに家族全員が何者かに惨殺されていた。

「これほどの殺しだ。かなりの物音がしただろう。近所の誰かが何か聞いているはずだ。」

「ああ、聞いているだろう。だが誰も絶対そうは答えない。諦めろ。」

訓練所に戻ったChrisは訓練生にAli Faharのことを尋ねる。だが、全員が何も知らない、と答える。それが本当なのか嘘なのかはわからない。いずれにせよ、捜査は完全に行き詰った。

夜、Naasirの家を一人の見知らぬ男が訪ねて来る。笑顔を絶やさず、友好的に語り掛けてくる男。

あんたのことは知ってるよ。昔警官だったんだろう?国のために立派な仕事をした人だ。今日あんたを見かけたよ、Ali Faharの家の外でだ。そのことについて話したいんだ。一緒に来てくれ。外に車を待たせてある。

その夜、SofiaはChrisの宿舎を尋ね、一夜を共にする。

翌朝、迎えに来た車に乗り、今日も山積みのスケジュールへと向かうSofia。並走する車のサイドウィンドウが開き、RPGが発射される。

[BANG.]

連れ去られたNaasirは、目隠しをされ、椅子に縛られた状態で、そのリーダーから話しかけられる。

Ali Faharを殺したのは我々だ。奴は裏切り者として粛清された。その家族も。あんたは役に立つ人間だ。俺達のために働け。

物語後半では、彼らは米軍テロ対策チームによる、イラク国内で活動するテロ組織のリーダーを追う動きに巻き込まれて行く。

尋問・拷問・懐柔。引き出されてきた情報は、次第にその人物へと迫って行く。

その過程で少しずつ明らかにされるSofiaとNaasirの過去。

そしてある人物の口から明らかにされるAli Faharの死の真実。

敵の敵は常に味方なのか?敵の敵もまた敵なのか?

真の敵は誰か?真の敵などというものがそもそも存在するのか?

そのためらいもなく手を差し出してくる人物と自分は本当に同じ側の人間なのか?

戦争と、引き続いて起こる惨事の責任の所在は常に曖昧だ。

だが、その曖昧さに便乗し、全員を被害者として涙を流せば物事が綺麗にまとまるほど世界は優しくない。

物語の結末。最後のピースとして、その始まりと同じ軍事パレード広場に、ある死体が放置され、全ての画は完成される。

そしてその画が組み立てられる過程を順に追ってきた我々は、その死体がAli Faharのものと相似の意味/無意味を持っていることを既に知っているのだ。

この物語は作者トム・キングがCIAの対テロリズム職員として、この作品と同時期2004年2月から4か月半イラク バグダッドに滞在した経験を基に作られたものである。

なーんでそういう大事なこと最後に言うの?だってさ、日本って結局私小説的行き止まりにしか行けない文脈での「実際の経験」やら「事実に基づいた話」の過剰重視で、これを言ったら作品のすべてが語れたような顔するやつ多すぎる、というかしかいないじゃん。

そりゃあ「実際の経験」に基づいた知識は作品を作る上で非常に重要だ。だが優れた作品というのは常に、その「実際の経験」の上に様々な構築を重ねて出来上がっているのだ。

ちなみにこの作品のリアリティで大変重要な部分を担っている作画Mitch Geradsは、実際にイラクに行ったわけではなく様々な手段を駆使して集めた画像情報などを基にこの作品を作り上げたという事実も付け加えておこう。

あらゆる作品-物語は、曖昧な「お話」などではなく、常に何らかの表現形態を持つことで成立している。そしてこの作品『Sheriff of Babylon』は、コミックという表現形態のみに可能な手法を駆使して完成された作品-物語の傑作である。

この作品が終わった直後ぐらいに、これの続編として『Sheriff of ?????』というのがアナウンスされていたけど、現在までのところそれは実現に至っていない。その辺でキングが『Batman』のメインライターに起用されたり、VertigoがDCの運営方針の変更で事実上終了したりなど、理由は色々あったのだろう。

その後また様々な面で状況も変わってきており、キング/Geradsの意思次第ではいつか続編という機会もあるのかもしれない。

作者について

■Tom King

実はトム・キングがカタカナ表記にするぐらい日本で知名度があるのかイマイチ把握できてないんだが、まあ複数翻訳あるみたいだし、それ以外読み方ないし、そのくらいビッグネームであるべきだろうと思うのでこれでいいんだろ。

1978年生まれ、南カリフォルニア出身。1990年代後半、DCとマーベルコミックスに”interned”、って書いてあるのだけど意味がよくわからず単語を検索してみたところ「拘禁」って出た。ハタチ前後ぐらいのキングがDCとマーベルに拘禁されていたというのはかなり面白い絵面も浮かぶが、まあここは病院とかのインターン的なものなのだろうね。

2000年にコロンビア大学を卒業するが、9-11により一念発起し、CIAのテロ対策課に就職する。えーと、「就職する」と書くと何か日常的軽めに見えてしまうけど、まあ志願ぐらいで就ける仕事じゃないだろうからな。その経験が活かされたのがこの作品だが、その前のDC『Nightwing』にも諜報活動という面で役立っているらしい。

2012年、作家としてのデビューは小説で『A Once Crowded Sky』。これはヒーローもののテーマの作品らしい。

コミック作家としての活動は2013年頃からで、マーベルの『The Vision』もあるが主な活動はDC Comicsにて。『Batman』のメインライターを2016年から2020年ぐらいか?まで務め、近作は『Rorschach』(2022)、『Human Target』(2022-23)、『Batman – One Bad Day』(2022-)など。2022年からImage Comicsにてオリジナルシリーズ『Love Everlasting』も始まっている。

■Mitch Gerads

1981年生まれ。ちょっとあまり経歴的資料が見つからないのだが、グラフィックデザインで大学を卒業後、しばらくパッケージデザインの仕事をしたのちにコミックの世界へ。『The Activity』(Image/2011-14)、『Punisher』(Marvel/2014-15)あたりが初期作品のよう。ちなみにこの時期タッグを組んでいたストーリーライターNathan Edmondsonは現在アフリカの自然保護活動に専念しているらしい。

作画は従来のアメコミのスタンダードのベタ部分の多い陰影のコントラストが大きいものよりは、シーンによって強弱を使い分けた線を主体としたものという印象。アメコミ伝統の分業スタイルがデジタル化により廃れてきて、ペンシラー、インカー、場合によればカラーも一人でコントロールすることが可能になった結果、アメリカでも線にこだわるアーティストが増えているのかもしれない。

TPB1巻巻末には2ページにわたり作画の過程が紹介されており、ネーム段階からPCでの作業で色付きだったり、一旦強めの色で着色してから落としたりという過程も見れて興味深い。ポーズのモデルに自分と息子の写真を使っているのはちょっとネタっぽいが、微笑ましいです。

『Sheriff of Babylon』後の仕事は、キング作品『Mister Miracle』(2017-19)や『Batman – One Bad Day』(2022-)など。

Sheriff of Babylon / Tom King+Mitch Gerads

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