Descender 第1回 / Jeff Lemire + Dustin Nguyen

ロボット少年の運命の流転を描く、Jeff LemireのSF大作!

今回はJeff Lemire/Dustin Nguyenによる『Descender』。Image Comicsより2015年から2018年にかけ、全32話で発行され、TPB全6巻にまとめられています。更にその続編である『Ascender』が、2019年から2021年に全18話、TPB4巻。こちらについては、正確には続編というより、二部作という考えで見るべきなんだろうと思う。『Sweet Tooth』、『Black Hammer』などと並ぶ、現時点まででのJeff Lemireの代表作の一つです。

以前より当方ではおよそ月刊ペースで、『Black Hammer』を紹介しており、第4回で第1部が終了したところで、Jeff Lemire作品をなるべく多く紹介せねばという思いから、月刊Jeff Lemireぐらいの感じに切り替え、第2部に移る前に1回休んで『Descender』をやりまーす、と予告したんだが…。前回から始めたグラント・モリソン『The Invisibles』が第1回から1か月以上かかるという事態となり、大幅に遅れての登場となりました。すんません。
で、この『Descender』ですが、やはりこれも大変な重要作であり、こちらもちゃんと紹介して行かねばということで、今回第1回としてTPB第1巻『Descender Vol. 1: Tin Stars』を紹介して行きます。

Descender Vol. 1: Tin Stars

SF作品となると、まずその設定が重要となるので、最初にその辺を簡単にまとめておく。舞台となるのはかなり先の未来。宇宙航行は大きく進歩し、様々な星系の種族とも交流・交易が進み、地球人類単独ではなく、9つの星系の種族が集まりUGC(United Galactic Council=統一銀河評議会)が構成されている。
新スタートレック以降ぐらいの感じで考えるのがわかりやすいかと。やや近年のそっち状況に不案内なため、『新スタートレック』という言い方まだ流通してるのか?とちょいと不安になってしまったのだが、要するにピカード艦長以降。これくらいでわかるよね。
科学文明も発展し、生活の多くにロボットが利用されている。と、このくらいの割と想像しやすいSF的未来社会から物語は始まる。

■キャラクター

  • Tim-21:
    子供の友達用として造られたロボットの少年。

  • Bandit:
    ペットロボット犬。

  • Driller:
    鉱山掘削用ロボット。

  • Ms. Tavers:
    採掘コロニーで働くシングルマザー。Timの「母親」。

  • Andy:
    Taversの息子。Timの「兄弟」。

  • Jin Quon:
    かつてのUGCのロボット工学の権威。Timの作成者

  • Nagoki将軍:
    UGCのトップ。

  • Telsa大佐:
    UGCの大佐。

  • Tullis:
    Telsa大佐の腹心。

  • King S’Nok:
    惑星Gnishの王。

  • Solomon教授:
    かつてのUGCのロボット工学の権威。Quonの師。

  • Dechang博士:
    異星人の考古学者。遺跡発掘の専門家。

■Chapter One

惑星Niyrata

The United Galactic Councilとして知られる、9つの星系グループのテクノロジー、文化的ハブの役割を持つ惑星。
惑星上には9つの、それぞれの星系の外交都市が建設されている。
総人口:55億3千万人。

高層建築。立体交通網。未来的な都市の多くの星系の種族が入り交じり行き交う街角。
通行人が一人、二人と空を見上げ始める。
「あれは何?」

考古学的に価値が高そうな彫刻・出土品がポツリポツリと並び、天井まで届く巨大な水槽が置かれ、ベランダからは植えられた木からの花びらが漂う、未来的なギャラリーのような寝室で、Jin Quon博士はロボットからの警告音で目覚めさせられる。
「申し訳ありません、Quon博士。UGCからの緊急連絡です」
寝ぼけ眼で渋々通話を接続すると、現れたのはUGCのNagoki将軍だった。
「Quon!どこにいたんだ?なぜ呼び出しに応えん?」
「すみません、ラボで徹夜で…」
「なんでも構わん!外を見ていないのか?」
将軍の勢いに押され、ベッドを出てベランダに向かうQuon。
「君の力が必要だ、博士。直ちに中央ターミナルに出頭したまえ!」
そして、ベランダから空を見て、驚愕するQuon。

惑星上、大気圏外の宇宙空間。形も様々な宇宙船が無数に浮かぶ。
「分かっていることは?」
「何もない、博士。我々のセンサーはあの外殻を通過できん」
宇宙船の窓から外を見るQuonとNagoki将軍。
「我々からの呼びかけには、一切応答がない。非活動状態にあるように見える」
「評議会はパニック状態だ。持てる軍艦をすべて発進させ、あれが何なのか判断不能となれば、総攻撃に移れるよう待機しておる」
「神よ…」
「神?わしはそうは思わんがな、Quon博士…」
宇宙空間で惑星を見下ろすように聳える、あまりにも巨大なロボット。
「あれは機械だ」

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

「UGCに属する他の8つの星系の中心惑星にも、ほぼ同型で同サイズのものが出現している」
「将軍、あれほどの規模のものがどこから来たかについて、情報があるのでは…」
「君はUGC内におけるロボット工学の第一人者だ。あれが何なのか、どこから来たのかについて、君以上に理解できる者はおらん」
「総攻撃に移行するまで24時間。その間、君はUGC内のあらゆる情報・機能を活用し、あれの正体を突き止める権限が与えられている。必要なものは何でも言いたまえ」
その時、停止状態で暗くなっていた超巨大ロボットの目が、徐々に赤く発光し始める。
Quon博士は端末を操作し、状況の変化を精査する。「あれの周囲のエネルギーフィールドが活性化しています。応答があるのでは」
「違う!」
超巨大ロボットは、その手を持ち上げ始める。
攻撃して来るぞ!
一瞬して、周囲は光と爆炎に包まれる!

Dirishu-6の月

Dirishu採掘コロニー。
10年後。
総人口:1人。

一人の少年が子供部屋のベッドで目覚める。
裸足のまま、部屋を出て、通路を歩き始める。
「Andy?お母さん?」
ひとつのドアを開け、コロニーの食堂と思われるホールに入る。
「!」
そこにはコロニー住民の多くが倒れ、既に死亡しミイラ化していた。

「コ、コンピュータ、動いてる?」
「はい、Tim-21」
「僕、どのくらい眠ってたの?」
「およそ10年です、Tim-21」
「10年だって?」

「Andyとお母さんは?」
「あなたが”Andyとお母さん”と呼んでいる人間たちは・・・kzzt!」
「kzzt・・・植民者たちは採掘の過程で未確認のSiriumガス帯に突き当たり・・・kzzt・・・数分のうちに大気が・・・kzzt!・・・」
途切れ途切れに応答していたコンピュータは、完全に沈黙する。
途方に暮れてコロニー内を歩き回るTim。だが、見つかるのはミイラ化した死体ばかり…。

採掘機のエリアにやって来たTim。何か奇妙な音が近づいて来る。
「だ、誰かいるの?」
駆け寄ってきたのは、小型のペットロボットBanditだった。
伸ばしたアームでTimの手のシステムに直接アクセスし、Timの外装が開く。
少年Tim-21は、ロボットだった。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

Banditとの再会を喜ぶTim。
ずっとメンテナンスされていなかったため、「Fra! Fra!」と奇妙な鳴き声を発し続ける、Banditの音声回路をまず修理する。
やっと仲間を見つけ、少し落ち着いて探索を続けるTim。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

ここで、Banditが「Fra! Fra!」と鳴いているのを、「Arf! Arf!」と正常に鳴くように修理するのだが、多分「ワン ワン」になったのだろうけど、日本人的にはいまいちピンと来ない。とか思ってたんだが、最初にTimが「喋り方が変になってるよ」と言って修理するので、普通に会話できるようになるのかと思ったら正常な犬の鳴き声だった、というプチギャグだったのかも?

Banditと共にコロニー内を探索するTimは、シャトルが2機消えているのに気付く。
「Andyとお母さんもシャトルに乗って脱出した人の中にいるのかもしれない。コミュニケーション・ハブに行って、データネットワークをチェックしてみよう」
コミュニケーション・ハブも、他のセクションと同様にエアロックが壊れ、端末は故障していた。
Timは、自分の内部システムと直接接続することで、ダメージをバイパスし、内部のデータにアクセスできるのではないかと考える。
そこには、コロニーが活動停止している間に送られてきた、未読の大量のニュースがあった。

[九体の巨大な機械がMagacosmの中心をなす世界の軌道上に確認された。UGCは緊張緩和のためこの謎の解明を急いでいる…]
[攻撃が開始された!UGCは全ての住民への避難を呼びかけ、応戦態勢を進めている]
[Niyrataは陥落の縁にあると伝えられる。巨大ロボット-あるいはHarvestersと呼ばれる者-の攻撃による死者は数億を越え、攻撃が停止する兆候も見えない]
[九体のHarvestersは一様に姿を消したと報告される。彼らが戻って来る可能性については依然不明]
[Harvestersの侵攻により、銀河情勢は不安定化。数世紀にわたる数々の軋轢が再燃し、UGCは崩壊している]
[Harvestersの攻撃対象はUGC住民とインフラを中心としたものとみられ、その一方でロボットたちの多くは被害を免れ…]
[Harvestersと我々のロボットとの関係による恐怖から、反ロボットファナティシズムが銀河全体に蔓延。その結果、大規模なロボット淘汰、あるいはAI使節団スポークスマン言うところの「ロボット・ジェノサイド」が広がっている]

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

惑星Niyrata

かつてのUGCの技術的中心惑星。
現在人口10億人。

かつてのきらびやかな高層建築群は老朽化し、くすみ、町のあちこちから上る排煙が大気を汚染している。
Jin Quon博士は、狭苦しく乱雑に散らかった自室の薄汚れたベッドから、鳴り続けるドアブザーで起こされる。
ドアを開けると、そこに立っていたのは軍服を着た二人組。後ろに立つ巨漢は、大型の銃を携えている。
前に立つ上官と見られる赤髪、青い肌の女性が語り掛ける。
「元UGCの科学分野顧問のJin Quon博士だね?」
「評議会が何の用だ?もしこれがGnishの解体屋での仕事の件なら、私はギャンブルの借金も溜まってて…」
「我々はあなたを逮捕しに来たわけではない。Megacosmはあなたの助力を必要としている」

ここは繫栄した未来都市が、謎のロボット-Harvestersからの攻撃後荒廃した様子と、Jin Quon博士の凋落を、冒頭部分と対比的に描いている場面なのだが、画像を紹介してなくて言うのもなんだが、やっぱページ数的な関係からか、その感じにうまく描けていない様子が若干残念。

Quonは、先導する女性-Telsa大佐と、巨漢-腹心の部下Tullisに挟まれる形でスラム化した街路を進んで行く。
「いったいどこに行くんだい、大佐」
「あなたの理論について話してもらいたい、Quon博士。コーデックス理論。あなたがHarvesters襲撃後のUGC緊急評議会に提出したものだ」
「あんたがたは俺の仮説には既に精通してると思ってたんだがね」

一行は開けた土地に着陸され、兵士が警護しているUGCの宇宙艇に到着し、乗り込んで行く。
「ご存じの通り、私はHarvestersの出現時最前線におり、攻撃が始まる前に大量のデータを集めた」
「Harvestersの人工知能及び構造は、あまりにも複雑で大きく、またあまりにも進化しており、我々のロボット工学の理解の及ぶところではなかった」
「だがHarvestersがいかに複雑であろうと、全てのロボットはベースとなる機械としての規格-コーデックスを持っている。我々のDNAに相当するものだ」
そしてそこからTelsa大佐が引き継ぐ。
「そして、Harvestersのコーデックスを解析することができれば、その起源、あるいはそれらを作った者達の手掛かりが得られるはずだ、というのがあなたの仮説だった」
「そこまで理解しているなら、なんで今更私が必要なんだ?」
「博士、コーデックスは解析されたわ」
驚愕するQuon。更にTelsa大佐は続ける。
「そしてそこからコーデックスが一致するロボットモデルが発見された」
「それがあなたが15年前に作ったアンドロイド”Tim”シリーズよ」

「あ、あれはただの子供向け友達ロボットだ。コーデックスが一致したからといって、私がHarvestersに何か関係したとは…」
「我々はいかなる結論にも達していない。”Tim”モデルはロボット淘汰の間にすべて破壊されたと考えられていた」
「三日前、”Tim”モデルの一体が古いUGCのサーバーにアクセスするまでは」

「Timが生き残っていたのか?どこに?」
「UGC宇宙の外縁の見捨てられた鉱山コロニー。我々は現在そこに向かっている」

Dirishu-6の月

コロニーに一機の宇宙船が着陸して来る。それに向かいBanditともに駆け出して行くTim。
「誰かが僕たちが送った救難要請を聞きつけてくれたんだ。Bandit、怖がらなくても大丈夫だよ」
だが、宇宙船から現れたのは、見るからに恐ろしげなロボット狩りの一団だった。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

かなりシンプルにまとめられつつ、それでいて方向が明確な物語の世界に一発で引き込む、さすがJeff Lemireの第1話なのだが、情報量が多くやや長めになってしまった。ここからは少し急いでTPB第1巻の終わりまで進みます。

■Chapter Two

Timの前に現れたのは救助者ではなく、UGCに属する星系連合だが、とりわけHarvesters襲来後は、ともすれば評議会とは敵対する独自の行動をとるGnishからの依頼でTimの回収に現れたロボット狩りの一団だった。
Timは手のひらから発射されるプラズマで、追いすがる彼らの猟犬を倒し、坑道へと逃げ込む。

ロボット狩りからの逃亡と、復元されるTimの記憶が並行して描かれる。
最初の記憶である彼の製作者であるQuon博士との出会い。
鉱山コロニーに送られたTimを、家族として温かく迎え入れた「母親」Ms. Taversと、「兄弟」Andy。
深まって行く彼らやコロニーの人々との絆…。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

そして坑道の奥で、Timは母親として接してくれたMs. Taversの既に白骨化した遺体を発見する。
絶望に打ちひしがれるTimを、襲撃者が追い詰める。
プラズマで応戦するが、彼らの銃にボディを撃ち抜かれ、Timは機能を停止する。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

しかし、ロボット狩り達がTimの停止したボディを持ち去ろうとしたとき、坑道の傍らで停止沈黙していた掘削用ロボットDrillerが起動する。
Drillerはその強固なボディと片腕のドリルで、襲撃者たちを皆殺しにし、Timを取り戻す。
だがDrillerの能力では、破壊されたTimを修復することはできない。
Timのボディを抱え、立ち尽くすDriller。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

■Chapter Three

Timは見知らぬ地で目覚める。赤い大地に連なる峡谷。
背後から掛けられた声に振り向くと、そこには巨大なロボットの頭部に見える構造物が建ち、その口である開口部に一体の破壊されたロボットが立っていた。
「こんにちわ、Tim-21。君を待っていた」
ロボットはEraz-435と名乗る。ここは何処なのかと問うTimに、我々総てが赴くホームだ、と答える。
「私は君を迎えるためにここに送られてきた。行こう」と、巨大ロボットの口の中へと進んで行くEraz-435。
意味も解らぬまま、その後を追うTim。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

Banditに先導され、動かないTimのボディを抱え走るDriller。コロニーの施設に到着したが、Drillerの施設への進入は拒否され、ドアを破壊する。
修理用のテーブルにTimを横たえるDriller。だが彼に修理を行う機能はない。
その時、アラームとコンピュータの音声が、コロニーに接近する宇宙船の存在を告げる。

転移空間から出て、採掘惑星に接近するTelsa大佐のUGC宇宙船。
船内ではQuon博士とTelsaの間で、TimとHarvestersとの関係への疑問や、Quonの立場についての問答が続く。
その時、宇宙船を操縦していたTelsaの腹心の巨漢Tullisから、惑星に先んじて到着した宇宙船の存在が告げられる。

トンネル内を進むTimは、先導するEraz-435の姿を見失いそうになる。その時、足元に落ちていたEraz-435の片腕を見つけて拾う。
「何処で失くしてしまったかと思っていたよ」戻りTimに言うEraz-435。
片腕が外れてしまってもすぐに気付かないほどに破壊されたEraz-435のボディ。「君はどうやってここに来たの?」と尋ねるTim。
ある惑星でキッチンロボットとして働いていたが、Harvestersの侵攻後、スクラッパー達に広場に引きずり出され破壊された、と答えるEraz-435。
何故そんなことを?と顔をしかめるTim。
「それは彼らが私たちを恐れていたからだ。彼らは痛めつけられ、そして誰かに報復したかったからだ。それは彼らが人間だからだ」
ここは一体何なの?とさらに問うTim。
「いずれ分かる。ついて来たまえ」そう言ってトンネルを進むEraz-435。

採掘惑星に到着したTelsa大佐のUGC宇宙船。
船外に出て、慎重に様子を窺っているところに、施設からDrillerが走り出て襲い掛かって来る。
直ちに銃で応戦するTelsaだが、頑強なDrillerのボディには通用しない。
Tullisがバリアでせき止め、ポケットから出した円盤状のアイテムを投げつける。
磁石の様に張り付いたそれからDrillerのボディに電磁波が走り、彼を停止させる。
「ローレベルのEMPブラスターです。しばらくは動くことはできません」

先に施設にたどり着いていたQuonが入り口から呼びかける。「こっちだ、急いでくれ!」
破壊されたTimを抱えるQuon。Timは修理設備のある宇宙船へと運び込まれる。

夢(?)の中のTimは、トンネルの果て、出口へとたどり着く。
そこには見渡す限りの地平に、無数の破壊されたロボットたちが立ち、Timを待っていた。
「我等に加わってくれ、Tim-21。我等は捨てられ、破壊された者。我等は収穫された者」

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

ここでロボットたちが自分達を「Harvested」、収穫された者、あるいは収穫物と呼ぶわけだが、それでいくとHarvestersも「収穫者」と呼ぶべきかとも考えたのだが、なんとなく日本語的に少し意味が強く、もしかすると物語の先行きを違う方向へ誘導してしまう可能性もあるかも、と考え名称的に考えやすい(と自分は考える)Harvestersのままにした。

「コンピュータ、全ての軌道データネットワークのポータルを閉じろ。可能な限りオールドサーバー内の彼のアップロードされた記憶を護る必要がある」
そしてQuonはTimの修理に取り掛かる。

Timの許へロボットたちが集まって来る。
「頼む、Tim-21。我々を置いていかないでくれ」
「頼む、Tim-21。君だけが我々を解放できるのだ」
持ち上げられロボットの集まりの中へ運ばれて行くTim。「嫌だ!」
「我々を見つけてくれ」
「嫌だ!」
強く叫ぶTim。周囲のロボットたちが弾き飛ばされて行く。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

そして、Timは宇宙船の中で意識を取り戻す。
「Quon博士…?」
「Tim-21!私のことを憶えているのか?」
「はい、ところどころ記憶にギャップがありますが。憶えています」
「僕、奇妙な夢を見たんです、博士。壊されたすべてのロボットたちの…」
「しかし…、君もわかっているだろう、Tim-21。ロボットは夢を見ない。不可能だ」
「でも、あれが夢じゃないのなら…、僕は一体どこにいたんだろう…?」

■Chapter Four

応急的にボディの穴を塞ぐ修理を受けながら、「夢」について詳しく話すTim。
その「夢」の話は気がかりだ、と話すTelsa。そしてTimが10年間機能停止していたことを再確認する。
「はい、その前の夜、僕がAndyと一緒に”眠れる”ようにお母さんがシャットダウンして、そのままになっていたんだと思います」
そしてTimは、坑道で母-Ms. Taversの遺体を見つけたこと、だがAndyの姿はなく、数機のシャトルがなくなっていたことからどこかへ逃げられたのではないか、と話す。
君がHarvestersの謎の解明に協力してくれるなら、Andyを見つけてあげる、とTimを説得するTelsa。

船倉では再起動されたDrillerとTullisが対峙していた。
Drillerを止めるTim。彼らを攻撃しないように説得する。
君たちはUGCの保護下にあり、スクラッパーやその他のアンチロボット活動からは安全だ、と告げる。
こうして、Driller、ロボット犬Banditも乗り込み、宇宙船は惑星Niyrataに向け、発進する。

転移空間を進む宇宙船。船内の私室でUGCのNagoki将軍と通信するTelsa。やり取りの中でTelsaとNagokiが実は親子であることが明かされる。
ロボット狩りのスクラッパーが先行してTimにたどり着いたのは、UGC内に内通者がいるのではないか、と話し合う。
今日中にNiyrataに戻ると告げたところで、ドアにノックがあり通信を終わるTelsa。
やって来たのはQuonだった。話したいことがあるが邪魔をしたか、と問うQuonに、父と話していただけだと告げ、自身とNagokiの関係を明かすTelsa。
自分は母の見かけを継いでいると話すTelsaの胸に、Harvestersの襲撃時に亡くなった母の面影が浮かぶ。

Quonの話とは、TelsaがTimに言ったことについてだった。
あのコロニーから脱出できたものはいないと聞いたが…、と躊躇いがちに言うQuon。
「2機のシャトルが発進したが、故障により軌道圏外に出ることも敵わなかった」
彼に嘘をついたのか、と言うQuonに対し、彼ではなくロボットだと告げるTelsa。
「Harvestersが一体何なのか、もしまた現れたらどう対処するかを見極めるためなら、私は何でもする」

その時、ブリッジのTullisから緊急通信が入る。
「大佐!直ちにブリッジにお戻りください!我々は転移空間より出なくてはならなくなりました。襲撃です!」

直ちに臨戦態勢となる船内。転移空間から出ると、そこにいたのは単なる追跡船ではなく、巨大なイカ型宇宙船だった。
多くの触手型装置を使用し、船内への進入を図るタイプの戦艦。
宇宙船の砲で触手を破壊するTelsaだったが、数が多すぎる。
やがて敵は宇宙船をスキャンし、Timらロボットたちがカーゴエリアにいることを突き止め、触手を集中させて来る。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

触手の一本が宇宙船の外装に張り付き、そこから外壁を焼き切り内部のダクトを通って、敵スクラッパーがカーゴエリアに直接侵入して来る。
Drillerが迎え撃ち、最初の侵入者をドリルで串刺しにする。
だが、後続が投げ入れた磁力発生ポータルがDrillerの足元で作動し、ロボットたちとQuonが持たされていた銃は天井、壁に張り付き身動きできなくなる。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

ブリッジから駆け付けるTelsaとTullis。だが、磁力で制御されたエリアでは銃も使えず、為す術もない。
このロボットには、ビッグ・ボスからスペシャルオーダーが出ている、と話すスクラッパーのリーダーの男。
「俺たちはこれからGnishへ向かい、こいつらを”メルティング・ピット”に放り込むのさ」

■Chapter Five

宇宙船はそのままGnishへ向けて運ばれ、カーゴ内にはロボットたちが残されている。脅えて鳴き続けるロボット犬Bandit。
怖がって当然だな、俺たちはこれからドロドロに溶かされるんだ、と諦めたように話すDriller。
「で、でもTelsa大佐が助けてくれるはずだよ。彼女は僕にAndyを見つけてくれるって約束したんだ」
人間を決して信用するな、と言い捨てるDriller。
だけど僕はそういう風にプログラムされているから、人間を信用することしかできないんだ、とTimは言う。

惑星Gnish

Megacosm最古の王国にして、ロボット淘汰の中心地

一行は後ろ手に手錠を掛けられ、Gnishの王、S’Nok三世の前へ連行される。
「これが奴か?」S’Nokが最初に確認したのはQuon博士。「ロボット工学の父、とやらか」
「薄汚いネズミめ。こいつはメルティング・ピットに吊るすのがふさわしいな」Quonに憎悪の目を向けるS’Nok。
「そしてこのちびロボットが全ての騒動の元か」続いてTimに目を向ける。
そこへTelsaが進み出る。「S’Nok王、我々はUGC評議会の最重要ミッションによりこのロボットたちをNiyrataへ運搬している。GnishとUGCの現在の関係については理解しているが…」
「わしはその最重要ミッションの内容もこのちびロボットについても知っておる。もしこいつがHarvestersと関係があるなら、それが見つかるまで粉々に引き裂いてやる」Telsaを遮り、言い放つS’Nok。
「人間とこのちびロボをわしのオペレーション・シアターへ連れて来い」
そしてDrillerとBanditは、メルティング・ピットへ送れと指示する。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

惑星Niyrata

会議室で、各星系の大使とGnishの勢力拡大への懸念を討議するNagoki将軍。
かつて未来予知でUGCの戦略に貢献した種族は衰退し、先行き不透明なまま、拡大するGnishの勢力圏に近い区域からは有効な戦力を求められる。目の前の脅威に対し、将来的な危機につながるかもしれないHarvesters対策としてのTimの捜索への注力についても疑問が呈される。

幾多の問題に頭を痛めながら会議室を出てきたNagokiに、UGC職員が緊急報告に近づいて来る。
帰路に向かっていたTelsa大佐の宇宙船がスクラッパー部隊により捕縛され、Gnishへ連れ去られた。
近くで給仕をしていた女性が部屋から出て行く。
人気のない場所へ向かい、手首から出た小型通信機を使い、何者かに連絡を始めた彼女はロボットだった。
「10-R34より安全保護されたハードワイヤ・チャンネル3へ報告。信頼できる情報源によると、ターゲットは現在Gnishにある」
「ハードワイヤに栄光あれ」通信を終了したロボットは、証拠隠滅のため自ら記憶回路をショートさせ、機能停止する。

惑星Gnish

S’Nokのオペレーション・シアターへと連行されるTim、Telsa、Quon。
そこには恐ろし気な拷問用機器が上にそびえる手術台があった。
ロボットに危害を加えることに意味はない、我々を解放すれば、こちらで得た情報は共有されることを約束する。S’Nokに訴えるTelsa。
だが、S’Nokの目的は、Timではなかった。
「彼だ、ロボットを造り上げたQuon博士。我が宮廷外科医が、彼がHarvestersの秘密を話すまで、解体する」

引き立てられ、手術台に身体を固定されるQuon博士。「やめてくれ!何でも話すから!何でも!」
「よろしい。ではHarvestersとは何なのか話したまえ」
「何も知らない!」
「では、彼に記憶を取り戻してもらおう」宮廷外科医に指示するS’Nok。
そして上方より降りてきた電動丸鋸により、Quonの左腕は切断される。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

メルティング・ピットへと連れてこられたDriller、Banditと、Tullis。Tullisはアンドロイドではないかと疑われている。
メルティング・ピットとは、中央の溶鉱炉を囲む円形闘技場。ロボットたちはそこで闘わされ、敗北し破壊された者は溶鉱炉に落とされる。
集められたロボットたちによる闘いが始まる。片腕に装着された銃を発射しながら、彼らに迫って来る戦闘用ロボット。
TullisはDrillerのボディに上り、そこから戦闘用ロボットに飛び移り、腕の銃を奪い取る。
その銃で相手を破壊するTullis。だが彼らの闘いはまだ始まったばかりだ。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

S’Nokのオペレーション・シアター
「どうだね、何か思い出したか?Quon。それとももう一方の腕も切断するか?あるいはもっと下がいいかね?」
「私は何も知らない…」
やれ、と指示ずるS’Nokを止めるように続けるQuon。
「そうじゃないんだ。私が何かを話すことは不可能なんだ。なぜかと言えば、私は本当のところはTimについても全く知らない。Harvesters、その他についても。何も。」
「何を言ってるんだ、Quon?」
「嘘だったんだ…。全てが…。」

「私はいかなるロボットも開発などしていない。全てのロボットの設計は、調査で見つけたものから盗んだものだ」
「私はイカサマ師なんだ」

■Chapter Six

惑星Ostrakon 15年前

一面の砂漠。その中を一人の杖を手にした人影が徒歩で進んでくる。
砂漠用のフードマントで全身を包んだその人物の、容貌、性別は分からない。だが杖を握る爬虫類を思わせる皮膚に包まれた三本指は、その人物が異星人であることを示している。

フードマントの人物は、砂漠のある地点に持っていた杖を突き立てる。
電子音が鳴り、杖の上部の赤いライトが発光、アクティベートされ、地中に信号を送る。
その地点から距離を置いて後退すると、そこから上にドリル構造を備えた地中移動用のマシンが現れる。
前部のハッチが開き、中から一人の異星人の男が現れる。
「地点特定人よ、彼らは何処だ?場所は間違っていないか?」
「地点に間違いはありません。彼らは間もなく現れるでしょう」

そこに上空から一機のポット型宇宙船が降下し、彼らの前に着陸する。
地中から現れた異星人の考古学者Dechang博士は、ポット型宇宙船から出てきた高齢の地球人-ロボット工学の権威であるSolomon教授を迎える。
そして、Solomon教授の助手として同行していたのが若き日のJin Quonだった。
地中深くに発掘された古代遺跡。だがその発見には考古学者Dechang博士の専門外のものがあり、そのためSolomon教授の協力が求められた。
そして彼らはDechang博士の地中移動用マシンに乗り込み、発掘現場へ向かう。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

「古代Ostrakon人は、我々が宇宙旅行を開発する数万年前に絶滅した種族です」そう説明するDechang博士。
「なるほど。今回の発見が博士の考えるものであるなら、記録されていない宇宙開発時代初期の植民者などがここを訪れていた、ということですかな?」Solomon教授は言う。
「いえ、我々以前にここを発掘した者がいないのは明らかです」
そして彼らは、遺跡内の目的の部屋に到着する。

岩を加工して作られた台座を守るように、数体の古代Ostrakon人と思われる遥か昔に白骨化した遺体が囲み、そしてその上には永い年月を経てもその形を保っている、下半身のない上半身のみのロボットが寝かされていた。
地球人類と相似の形態で作られた透明なボディからは、内部の構造が観察できる。
「これは私が見た中でも最も進化した技術によるものだ。私はまだこの初期段階にも到達しておらん」興奮して語るSolomon教授。
そしてロボットは詳しい調査のため、Solomon教授の宇宙船へと運ばれる。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

Solomon教授とQuonは、宇宙船内の研究設備で、ロボットを接続再起動させるための作業にかかる。
この発見はロボット工学を飛躍的に進歩させますよ、と興奮するQuon。だがSolomon教授は懸念する。
「これは我々の過去にも大きな意味を持つものかもしれん。数万年以前に宇宙航行を可能にし、これを造り上げた何者かがおり、そして彼らは何処へ行ったのか?」

そして現段階で可能な限りの修復と接続が完了し、ロボットの再起動が試みられる。
成功し、喋り始めるロボット。Solomon教授はUGCのデータベースにある古代Ostrakon語を元に、翻訳プログラムを起動させる。
するとロボットは途端に身をよじりながら、半分は理解不能な言語混じりに話し始める。
「この#&$**をあなた方自身にもたらすことにより//*+&%となった!あなた方は炎上する!~%*:@$#は+&*4##警告されていた!あなた方は警告されていた!」

ロボットを押さえつけ、落ち着かせようとするSolomon教授とQuon。
接続されたロボットは、データにアクセスし情報を集め始める。
「ああ、なんと多くの時間が##&:@”%**。だめだ!$**##&により再び実行された!」

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

「もし彼らが***&%^を発見したならば、”+;%%@^$が再びやって来る!#”&**^$%はすべて死ぬ!」
なおも話し続けるロボット。Solomon教授はQuonの制止を振り切り、ロボットの接続を切る。
我々は何処かの地点に辿り着いたばかりではありませんか、と抗議するQuon。
「お前は今の話を聞いていなかったのか?あれらが何を意味するのかは現時点ではわからん。だが、さらに多くの情報を得るまでは、UGCの安全を危険にさらすことはできん」
Solomon教授からは、直ちにロボットと共にNiyrataに戻り、UGC評議会の判断を仰ぐことが決定される。

だがそのチャンスに目が眩んだQuonは、ロボットを分析したデータをすべてコピーし盗み、Niyrataに戻ると同時にSolomon教授と袂を分かち、そのデータをもとに自身のロボット開発に乗り出す。
その成功によりQuonは、かつての師Solomon教授の地位をも盗むこととなる。

惑星Gnish 現在

「お前がそのロボットからアンドロイドを作ったことにより、Harvestersが呼び寄せられたというのか?」怒り、Quonに詰め寄るTelsa。
「そこに関係があるかなんて証拠はないだろう」弱々しく答えるQuon。
「黙れ!そのロボットとSolomonはどうなったんだ?」割って入るS’Nok。
Quonは、知らないと答える。
「こいつは用済みだ。殺せ。そしてちびロボットに取り掛かれ」

その時、大音響とともにオペレーション・シアターの壁が破壊される。
大きく開いた穴から近づく襲撃者の一群。「な、何者だ?!」
破壊の粉塵の中から現れたのは武器を携えたロボットの部隊だった。リーダーのロボットが進み出る。
「私はPsius。我等はロボットレジスタンス”ハードワイヤ”だ。Tim-21のためにやって来た」

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

「僕のために?」戸惑うTim。
「そうだ、坊や。我々は君を見つけるために遠く旅をして来た。他に君のような者を見つけられることはないだろうとさえ、思っていたのだ。君は本当に彼にそっくりだ」
「何の話をしているのだ?」とTelsa。
「Tim-21、紹介しよう」
「私の息子、Tim-22だ」
現れたのはTimと全く同じ姿かたちのロボット少年だった。

『Descender Vol. 1: Tin Stars』より 画:Dustin Nguyen

To Be Continued –

加速度的に拡大して行く謎に満ちたストーリーに、感情移入せざるを得ない魅力的なキャラクター群。
出自がオルタナティブ系であるが、Jeff Lemireが正統派のストーリーテラーとしての実力を持つ作家であることを物語るシリーズ作品である。
デビュー以来一貫して、「家族」をテーマとしてきているLemire。この作品でもロボット少年Timの「家族」を中心に物語は進んで行く。採掘コロニーでの「母」と「兄弟」。そして自身の製作者である「父」Jin Quon。更に第1巻の最後には、本来自分が属していたのかもしれないロボットの「家族」、「家系」が現れてくる。
これほどの作品であるわけだから、当然のように映画、TVシリーズといった方向での動きも進んでいるのだが、まだ実現には至っているものはない。ちゃんと日本まで届くのかどうかはよくわからないが、今後そういった形でも大々的に広まって行くのも確実なシリーズなのである。
何とかJeff Lemire作品を一つでも多く紹介せねばという思いから、月刊Jeff Lemireぐらいを前提に、一旦区切りのついた『Black Hammer』を一回休んで、のつもりだったんだが、主に私自身の不手際から大幅にスケジュールが狂ってしまった…。とりあえずまずは何とか元のペースに戻すことを目指しつつ、『Black Hammer』に戻り、そちらにきちんと決着を着けた後、この『Descender』の続きも本格的にやって行くつもりです。

SFって話。
まーSFをいつまでたっても子供向けのオモチャかなんかと思ってるほど頭の悪い層なんかは横に蹴っ飛ばしといて話せば、現在日本においてSFは創作活動の中で最も、というよりは唯一ぐらいに精気を持ったジャンルであることは言うまでもない。
小説ジャンルにおいては、んまー文学方向のマイナーな動きにちゃんと目が届いてないかもってことを置いといても、日本で最も先進的、意欲的な作家が多く存在しているところだろう。
その他と一緒くたにまとめてしまうことには異論があるかもしれないが、マンガ、アニメ、ゲーム、ラノベというあたりはもう分けて語るべきものではなく、全体の動きとして見るべきだろう。あ、やっぱ雑か?やっぱちらっと考えただけで、八木ナガハルみたいな才能が浮かんでもっとちゃんと分類せねばとなってくるのだが…。まあ日本SF全体についてもっと詳しく考えるのは、別の機会に、というか自分には役割不足ぐらいなんで、一旦置いとくとしてだ。
まあこの辺のその他、というか最も大きい部分を外から適当に見て見下せると思ってる層が多くいるわけだが、そもそも「大人向け」がちゃんとこれを越えるクオリティのものを作れてんのか?って話。結局才能というのは最も活気と可能性のある所に集まるものだからね。

という感じの私の日本のSFに対する考えを示したところで、とりあえず欧米ぐらいでの範囲でのコミックで描かれるSFの話。それらの国でも多くのSFコミックが作られている。それぞれの国内ぐらいのコミックの出版総数に対するパーセンテージとしても、日本のそれをはるかに上回るぐらいなんじゃないかと思う。それくらいそれらの国々では、コミックの中で「SFコミック」というジャンルはメジャーだ。
それらの作品が日本のものより優れているなどという視点でいうつもりはない。でも阿呆以外にはこれほどSFが浸透し、優れた作品も多く作られている国なら、他国のものも「SFコミック」とジャンル特化した形でもっと読まれるべきだろう。
国内でもSF者とか名乗る人なら、必ずこの作品を読みたいと思ったはずであり、更に多くのSFコミックを読みたいと思ったはずだ。それとも他作品との類似を発見し、作品を踏みつけにして声の届く程度の範囲でSF知識でマウントとりたいだけのレベルのもんばっかなのかい?もうそんな時代じゃねーだろ。

そういった海外の「SFコミック」をジャンルとしてもっと推して行くべきという考えから、この度新たにSFというカテゴリを設けました。
あ、長々と語って結局お前んとこのカテゴリ増えるってだけの話?
いや、オレ結構重要なこと言ったと思うんだがな…?「SFコミック」もっと注目して行こうよ。
その他にも自分的にこだわりの強い「クライム」、「ホラー」などのカテゴリも追加して行く予定です。でも「恋愛」とか「BL」は増えないと思う。

作者について

■Dustin Nguyen

1976年生まれのベトナム系アメリカ人。それまでの経緯などはよくわからなかったのだが、2000年頃よりDC Comics系にてアーティストとして仕事を始める。この作品での作画を見ると、結構癖の強い特殊なタイプにも見えるのだが、DCの「Detective Comics」など、メインストリームの作画を数多く手掛けて来たアーティストである。
キャリアなどからも考えると、おそらくはカラーリングも含めて基本的には手描きなのだろうと思うが、紙質といった部分まで作画に反映させる手の込んだ素晴らしい作画。Nguyenはこの『Descender』での作画により、2016年と2019年のベストペインター/マルチメディア・アーティスト部門を受賞している。
『Descender』シリーズの後、Nguyenは2021年より再びJeff Lemireと組み、『Little Monsters』の作画を担当している。

なんだかんだで1か月以上空いてしまったのだが、最後にその言い訳です。
既に先週3か月ぶりでやっと更新した本店の方でも書いたことなのですが、まあ前回何も考えず『The Invisibles』で一か月中断してしまったのち、少しの間年末の雑用などでバタバタしながらモタモタと立て直しを図っていたりしたのですが、その辺がやっと片付いたその日にウィルス性胃腸炎を発症し、救急車で搬送される事態に…。その後、年が明けてからぐらいで徐々に回復し、さあこれから頑張るぞとなったところでアマゾンアフィリエートの仕様変更により画像とリンクが全て消滅…。何とかこちらは一応すべて修復、本店に関してはある程度、ぐらいまでできたのが1月23日頃、そこからあまりにも中断が長くなってる本店の方の記事を優先させる感じで進め、やっと先週そちらがアップ。続いて何とかこちらも、という次第でした。
えーと、まず修復の方ですが、こちらに関しては基本的に元通りに修復したところですが、最初のサイトを始めた理由やらその関連については削除しました。その辺はその時点での状況・精神状態と、何とか勢いででも始めなければ、という気持ちもあり、色々と本来の目的や、その後の考えとの齟齬も大きくなってきているので、修正より削除。とりあえずあと2か月ぐらいの1周年で仕切り直しとしました。そこで考えまとめてから削除ぐらいに考えていたところだったのですが、まあ少し早めにということで。
あと『The Invisibles』での1か月の中断について。これについては自分的に何としてもやらねばならんものであり、当初は1か月ぐらい中断しながら見たいな形でやるしかないんかな、と考えていたところで、胃腸炎でダウン。まあ遅延の原因の一つではあるのだけど、数日動けないうちに少し考えることもできたわけで。
これは1周年の時にまた詳しく書くと思うけど、そもそもなんでわざわざ別のサイトまで作ったか、という理由の一つとして、例えば1巻で終わるぐらいの作品や、絶賛というほどではないけど書いておきたいもの、または概要ぐらいで説明するしかないもの、といった短めに書けるものが沢山あるのだけど、それを本店のペースにうまく入れられない、というのがあり、まあそれが最初の週4回更新したいと言っていたのにもつながっているわけだったりするのですが。
で、いざ始めてみるとまずあれをやらなきゃ、これをやらなきゃが先行し、結局その辺を見失っていたということ。
とにかく最大の原因としてはあまりに無計画だったということ。めっちゃ長いものも、やや長めのものも同時進行ぐらいに進め、その間に上であげたような2~3日ぐらいでできる短いものを書いてアップして挟んで、という感じで、きちんとスケジュールを組んでやって行けば、あんまり間が空きすぎないようにやって行けるのではないかと。
何処まで行っても一人の人間のやることで、本店の進行を含めそんなにうまく行くのかわからんというところですが、とりあえずこんな感じで色々な作品を紹介して行ければと思っております。
あー、早く終わらせなきゃで急いで書きすぎて、少しわかりにくくなったしまったかな?まあいいや、またちゃんと1周年で説明するので。とにかく今は早く次に進むですよ。それ一番重要だから。

Descender

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